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2021年10月07日
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日本の名刹 毛越寺(もうつうじ) 

 

  『別冊 歴史読本』「日本仏教総覧」事典シリーズ

  1955年発行 新人物往来社

一部加筆 山梨県歴史文学館 

 

 

① 開祖 慈覚大師。中興大檀主は藤原基衡。

  ② 現貫主 南洞頼中大僧正。

③ 宗派・寺格 天台宗・準別格大寺(別格本山)。

  ④本尊 薬師如来。脇侍は日光・月光両菩薩。

  ⑤沿革 

医王山毛越寺金剛王院と号し、嘉祥三年(八五〇)慈覚大師円仁の創建と伝え

られる。大師は根本甲堂を始め、堂塔坊舎を造営し、中堂には自作の薬師如来を本尊として秘法を修し、宝祚の無窮と万民の豊楽を祈り、永く鎮護国家の道場とした。

貞観十一年 (八六九)正月、清和天皇の勅により、北門鎮護の御願寺となり、中堂は創建の年号に因み嘉祥寺と号したが、度々の兵乱のため堂舎の荒廃を見るに至った。

 前九年・後三年の両役の終焉と共に「みちのく」の時代を迎え、平泉藤原氏の全盛期は、京文化を凌駕する平泉文化が築かれる。

その文化の中心が隣山中尊寺であり、毛越寺であった。永い兵乱に荒廃した堂塔坊舎の再建の勅願が、長治年中(一一〇四~○六)堀河帝より発せられ、藤原清衡・基衡父子が十余年を費やし金堂円隆寺講堂・常行堂・法華堂・二階総門(南大門)・経蔵・鐘楼・吉祥堂・千手堂・鎮守社・嘉祥寺・観自在王院等等、堂塔四十余、僧坊五百余を建立し、鳥羽天皇に至り勅使左少弁富任が下って、円隆寺の宜下あり、勅額及び国家鎮護の勅願文を賜った。

円隆寺は桁行‘巷間(実尺九〇尺)、梁間六間(実尺七四尺)、回廊により経蔵、

鐘楼を左右に連ねる典型的な寝殿造り様式。

本尊丈六薬師如来、脇侍並びに十二神将は、基衡が運慶杷刻ませた当代無比の傑作であったことが『吾妻鏡』に記録されている。

嘉祥寺について『吾妻鏡』には、

「未だ功を終えざるめ以前に基衡入滅す、彷って秀衡之を造り畢んぬ。四壁並に三面の扉、法華経二十八品の大意を彩画す。本尊は薬師丈六也」

とあり、その規模・様式等、円隆寺とほぽ同じであることを、発掘調査の結果が報じている。

 文治五年(一一八九)四代泰衡が源頼朝に追われ、毛越寺大壇主藤原氏の滅亡を迎えることとなったが、戦勝将軍源頼輯は凱旋の帰途平泉の巡覧をなし、武門祈願所として寺領安堵の壁書を、円隆寺南大門に掲げ、藤原氏同様の庇護を加え、「我が朝無双の精舎」と嘆称したと『吾妻鏡』に見られる。しかし同じ『吾妻鏡』嘉禄二年(一二二六)十月八日の条に「陸奥国平泉円隆寺焼亡す」とあり、この高禄の災にあったのが、円隆寺・高祥寺伽藍群であり、大泉ケ池北側一帯である。

 その後、天正元年(一五七三)観自在王院・南 大門、更に慶長二年(一五九七)常行堂・法華堂の焼失祀より毛越寺伽藍は、その跡のみを残すこととなった。堂塔四〇年、禅坊五百余と称した毛越寺一山は、江戸期には一八坊となり、この一八坊が現在の毛越寺一山に継承され、その伝統が厳守されている。

 

  ⑥見どころ 

 

広大な庭園杜特別史跡、特別名勝の二重指定を受けており、東洋一の遣り水は八〇メートルの長さを跨る。

「延年の舞」は国指定重要無形民俗文化財。宝物館には、毛越寺及び一山支院の宝物の収蔵と県指定文化財の展示がなされている。






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最終更新日  2021年10月07日 07時25分23秒
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