2295285 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

山梨県歴史文学館 山口素堂とともに

山梨県歴史文学館 山口素堂とともに

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
2021年11月09日
XML
カテゴリ:小林一茶の部屋

甲斐と小林一茶を結ぶもの

 

一茶自筆『随才齊日記』文化八年 一茶叢書 第三編

   一茶の後裔、柏原・小林弥太郎氏蔵のら

 

文化八年隨齊筆記 抜書

 

甲斐の俳人・発句

 

就儀とて力も入れず小松引    甲斐・可都里

山吹や雉の鳴く音もほど伯子   有斐

花ニ行朝の小言や飯の出来    漫々

霜の日や少すぐるゝ峰の松    漫々

 

盆の月更てげにもと思ひけり   有斐

   気のつょい絞の生れけり杜若   才馬

   朝な朝な草鞋売りとや柳吹く   一作

   掛てある大長刀やかきつばた   草烏

藁家根のふたつ春めく岡邊哉   漫々

   飯時の使ハ来たりかきつぼた   漫々

   鶯やあらしの隙の一拍子     漫々

   桃柳捨られぬ世がどこにある   漫々   

   道連れに別れて多き桜哉     漫々

   ちる雪に押合ふてなく蛙哉    槌村

   花鳥の宿や草餅一夜酒      百二

   しからるゝ所迄行ん梅の花    有斐

   飯蛸ハ先源氏のなんぞ哉     漫々

     此の句いかが

   木枯やにくまれものの高足駄   蟹守

   梅のちる日から目出度し膝頭   一作

なましぐれしてハ暮れけり丘の家 百二

    

文政二 二月三日 葛里追善集

 

鴨などの心で見たる柳かな    蟹守

人ならば笑ひ上戸よ春の月     仝

深山木二月ハさす也花の述    葛里居士

    

此句名トシテ花ノ述卜云

さくさくの気のこなるゝ梅の花  葛里居士

芥干咲やものゝ云よき端の家   葛里居士

二月や老が世となる雪と水    瓦全

菊月や先朔日の匂ひ       瓦全

   うしろに荻さハぐ家の砧哉    葛里居士

   

文政二 七月出版 枯菖蒲一冊

三年       八月二十八日届 馬城追善

      其子 蔓志羅板

 

西風や鳩似て鳥の立       カヒ 草丸

山陰や何ゝの墓有りて雪嵐    嵐外

水鳥ハ世にかゝはぬ姿かな    五丁目 蔓志羅

 

二月九日

俳諧に駆け付けり桃柳      仝

竹捨て宿の古びも今宵から    其齢

涼しさや手足の外ハ人のもの   一作

なましぐれしてハ暮けり瓦の家  百二

 

    甲府和田平町 小倉理右工門 夏目坊 稲後

松島や後の世迄の涼置

    寛政二庚戌六月二十三日歿

法蓋山東光禅寺ニ塚

鳴雲雀案山子も笠も嬉しいか   重行

 

 十月十五日出 文化十二年八月二十日、戸倉ヨリ出

  甲斐八代郡小石和村 山下半三郎 百二

 

きのふけふ入相にやきおち葉かな   百二

さまざまニ盡した果てや夕しぐれ   百二

おし出してやりたき山夕夏の月    加都里

かたつぶりそなたの家もおもげ也   有斐

 

鶴郡鹿留村シカト山ニ入リ入定

  文化十二年四月廿四日 人定妙信法師

 

いく千代らかハで螢ふ常盤木の

春は一入色まさりけり

青柳にして曇りけり不二の山      重行

此のごろや大方よそも五月雨      一作

衣々や幮つり草も起き直る       一作

識の馬士どの夕草の花         一作

松風や月の橐も一夜づゝ        嵐外

 松風=テキロク

 

文政元五月五日一通九月廿日入

かるミつく二夜の聲やほとゝぎす

     文化十四年九月中五日歿   可都里

          七十五才

 

顔やたゞ咲く事をうれしけに     甲斐 艸丸

朝な朝なにらまれてさく梅花      甲斐 槌村

古郷やとうふ屋出来て春雨       甲斐 巣兆

我菊の噂いふ也居酒呑           仝

春雨の降山こして艸の庵          仝

いふことのさはるやう也夜の花     可都里

名残なく春ハ暮けり菜種殼       魯隠

はつ雪や浪ニつい居る都鳥       甲斐 嵐外

大かたの月夜に逢いけり梅の花     甲斐 可都里

みそ萩や咲えぬもけふニ折れけり    有斐

 

 

 甲斐猿橋

橋下の雲にも入るか時鳥        對竹

朝露やこぼれたまゝにおとなしき    甲斐 嵐外

古草につれてひらめくかすミ哉     甲斐 漫々

山紫ニ付けたはつ音か時鳥       甲斐 有斐

逢ふ星のあからさまにもなかりけり   甲斐 可都里

雁鳴や絶えて又見る天の川         仝

涼しさの目ニ付て来る青柚哉        仝

旅人の寝やうを見よ北時雨       甲斐 嵐外

鳩の居てひかる立枝の小春哉        仝

枯るゝ野や白菊の香の一いさみ       仝

霜の夜や甲斐ニ居しめる膝頭        仝

孤村

どのやうニ年や侍らん田に柳        仝

人の身ハ作り物也盆の月          仝

夕案山子我ニしバしの主せよ      甲斐 一作

山蔭や葉月の雲のさハさハと      甲斐 重竹

臼ほりが死ぬいはれを麦の秋      甲斐 有斐

 

文化十三年三月廿日出

甲府市川五丁目

  江戸屋治兵衛 有斐

蓬生の昔屁へて花の春         甲斐 有斐

古寺の茶釜も売れて時鳥          仝

とぶ螢心のすまね水ぞなき         仝

暖簾のひとへがものふ涼しさよ       仝

人の身は作りもの也盆の月       甲斐 可都里

淋しやな二つ持ちたる桐火桶        仝

叱らるゝ所迄行かん梅の春       甲斐 有斐

 

 

 挿入句

 

三とせ記行 一冊添

近付も忘れがち也春の草        其日庵 一桃

 

 山口素堂 門人(筆者入)

泥龜のしさいらしさや春の水      江戸 素丸

空錠の明く昔わびし更衣          仝

涅槃會のある所みな雪深し         仝

 

 著名俳人の句

 

花すゝき一夜ハなびけむさし坊     蕪村

 

 市川五世團十郎 三桝改め

元日や此の曙や            白猿

 

 笈日記 素堂残菊宴

恋になぐさむ老のはかなさ

   昔せし思ひを小夜の枕ニて       素堂

    我此の心を常にあはれぶ

    今なほ思ひ出るまゝに

   はなれじと昨日の菊を枕哉       素堂

 






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2021年11月09日 14時58分15秒
コメント(0) | コメントを書く
[小林一茶の部屋] カテゴリの最新記事


PR

キーワードサーチ

▼キーワード検索

プロフィール

山口素堂

山口素堂

カレンダー

楽天カード

お気に入りブログ

9/28(土)メンテナ… 楽天ブログスタッフさん

コメント新着

 三条実美氏の画像について@ Re:古写真 三条実美 中岡慎太郎(04/21) はじめまして。 突然の連絡失礼いたします…
 北巨摩郡に歴史に残されていない幕府拝領領地だった寺跡があるようです@ Re:山梨県郷土史年表 慶応三年(1867)(12/27) 最近旧熱美村の石碑に市誌に残さず石碑を…
 芳賀啓@ Re:芭蕉庵と江戸の町 鈴木理生氏著(12/11) 鈴木理生氏が書いたものは大方読んできま…
 ガーゴイル@ どこのドイツ あけぼの見たし青田原は黒水の青田原であ…
 多田裕計@ Re:柴又帝釈天(09/26) 多田裕計 貝本宣広

フリーページ

ニューストピックス


© Rakuten Group, Inc.
X