カテゴリ:山口素堂資料室
素堂66才 宝永四年(1707)園女『菊の塵』素堂践文。園女編。
難波津の園女、菊の塵といふ集をゑらひて、 そのしりへに一語をそふへきよしをすすめらる。 我何をかいはん。 そもそもやまとの句には、才女に富めり。 伊勢小町をはしめ、 中にも一条院のおはん時、 数をつくして出ける。 まつ清紫赤め三婦人、 おやこの式部、 そののちおのかねの侍従、 ことこらの丹後、ふし紫の加賀、沖の石のさぬき、 なといへるもありけり。 また俳諧の連り、その名聞ゆるはたそや。 赤石衛門妻、大津の浦の乙州の母、 かいはらの捨、武陽に虎女、好女、 桂男ほしとて入や闇の月、 と詠しけるは名高き八千代なりけらし。 しかはあれと、此道のものさためとなりて、 集をゑらむといふ事を聞かず。 その女はまことに奇異の人なり。
『素堂関連書簡』蝶羽・亀世宛
大阪の園女も江戸に出て、 内々菊のちり当年中二出来ノ由に候。 これハわれら敬を書遣申し候。云々 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021年11月13日 03時36分53秒
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