山梨県歴史文学館　山口素堂とともに

古代勅旨牧（御牧）

歴史年表４（９００～９２８）

☆醍醐天皇、在位（８９７～９３０）

○延喜１年（９００）７月２日【日本紀略】《座生馬神》

　左馬寮の座生馬神に一級を加ふ。御馬の苦勤すること甚だしきに依ればなり。

○延喜１年（９００）８月２日【日本紀略】《三代実録》

…左大臣等『三代実録』五十巻を上ぐ。

○延喜１年（９００）８月１９日【日本紀略】《延喜式》

…延喜格十巻を上ぐ。

○延喜３年（９０３）８月１３日【西宮記】《秩父御馬》

…貢進、秩父御馬、依宇多院供馬、不召上郷、御覧之後、給左右馬寮已了。

○延喜３年（９０３）１０月１６日【西宮記】《信濃御馬》

…詔訓　門前ニ於テ望月御馬ヲ取ル。

○延喜４年（９０４）５月２４日【政事要略】《太政官符、兵部省》 　

　勅旨牧の別当は四年を以て秣限となし解由を責むべき事。右交替式を検するに牧監既に秣限を定め其解由を責む。別当に至ては未だ此法立たず。茲に因て動もすれば緩怠を致し、預事を勤めず、御馬の滅耗、職として此之に由る。況んや職掌是れ同じくして拘放何ぞ異らん、之を政途に論ずるに理然るべからず、左大臣宣、勅を奉るに自今以後、諸牧別当は四年を限となし、遷替の日は牧監に准じ解由を責めん、但。課闕亡失に至りては、寛平五年三月十六日の格に准じ同しく填償せしむ。省宜しく承知し宣に依て之を行ふべし符到り奉行す。（参考寛平五年－８９３）

○延喜４年（９０４）８月１７日【日本紀略】《穂坂御馬》

…御醍醐天皇、南殿に御し、穂坂御牧駒を観る。

○延喜４年（９０４）【政事要略】《上野御馬》

…駒牽、上野諸牧の駒牽。

○延喜５年（９０５）４月１５日【扶桑略記】『古今和歌集』奏覧。

○延喜５年（９０５）５月９日【政事要略、通史】《望月御馬》

…望月牧の貢馬数が三十匹が廿匹に改められる。望月牧が勅旨牧となる。

○延喜５年（９０５）８月１４日【西宮記】《秩父御馬》

…於仁寿殿、覧秩父御馬、帰後、以黄掛一領、給牧司利春。（秩父牧－朱雀院領）

○延喜５年（９０５）８月１８日【北山抄】《信濃御馬》

…勅旨諸牧、駒牽。

○延喜５年（９０５）８月２０日【政治要略】《穂坂御馬》３０疋

…天晴、貢穂坂御馬卅疋。即被奉中六条院。御覽了。又被返奉。大納言仲平著長楽門外東

掖床子座。令取御馬如例。

【延喜式】

…編纂が始まる《『弘仁式』・『貞観式』を併合する目的で延喜五年、左大臣藤原時平に対して命が下り、多くの編者の手によって延長五年（９２７）に完成、康保四年（９６７）に施行された。

【『延喜式』「御牧」】

６０匹…甲斐国

…柏前牧。真衣野牧。穂坂牧。

５０匹…武蔵国

…石川牧。小川牧。由比牧。立野牧。

８０匹…信濃国

…山鹿牧。塩原牧。岡屋牧。平井出牧。殖原牧。高井牧。宮処牧。大野牧。笠原牧。

新治牧。大室牧。萩倉牧。猪鹿牧塩野牧。望月牧。長倉牧。

５０匹…上野国

…利狩牧。有馬嶋牧。治尾牧。市代牧。久野牧。大藍牧。拝志牧。新屋牧。

鹽山牧。長野牧

【『延喜式』「諸牧」】

…駿河国…岡野馬牧。蘇美奈馬牧。

…相模国…高野馬牛牧。

…武蔵国…檜前馬牧。神崎牛牧。餘師馬牧。

…上総国…大野馬牧。負野牛牧。

…下総国…高津馬牧。大結馬牧。大嶋馬牧。長洲馬牧。浮嶋牛牧。

…常陸国…信太馬牧。

…下野国…朱間馬牧。

…伯耆国…古布馬牧。

…備前国…長嶋馬牛牧。

…周防国…竈合馬牧。

…長門国…宇養馬牧。

…伊予国…勿那（くつな）嶋牛馬牧。

…土佐国…沼山村馬牧。

…筑前国…能臣（のこ）嶋牛牧。

…肥前国…鹿嶋馬牧。生屬嶋馬牧。　野牛牧。庇羅馬牧。柏嶋牛牧。早崎牛牧。

…肥後国…二重馬牧。波良馬牧。

…日向国…野波馬牧。都濃野牧。長野牛牧。堤野牛牧。野波野牛牧。原野牛牧。

【『延喜式』「近都牧」】

…摂津国…馬養牧。豊島牧。為奈野牧。

…近江国…甲賀牧。

…丹波国…胡麻牧。

…播磨国…垂水牧。

…右諸牧駒者。毎年九月十日国司与牧監若別当人等。甲斐。信濃。上野三国任牧監武蔵国任。別当臨牧検印。共署其帳。簡繁歯四歳已上可堪用者、調良明年八月附牧監等貢上。

若不中貢者。便充駅伝馬。信濃国不在此限。若有売却混合正税。其貢上馬。路次之国各充秣蒭并牽夫。遁走前所。其国解者。主当寮付外記進大臣。経奏聞分給両寮。間定其品。凡牝馬歳廿巳上。不在責課之限。凡年貢御馬者。

…甲斐国六十疋真衣野。柏前両牧卅疋。穂坂牧卅疋

…武蔵国五十疋諸牧卅疋。立野牧廿疋。

…信濃国八十疋諸牧六十疋。望月牧廿疋。

…上野国五十疋九牧五十牧。

《計四国　三十二牧　二百四十疋》

【『延喜式』「主税上」】

…凡諸国牧馬不堪貢進者。申官賣却。混雑皮直。毎年出擧。用其息利。以充貢馬経国之間。及牧馬秣料。但信濃国者。便用牧田地子。其皮直送左右馬寮。凡諸国牧馬。入京路次飼秣者。甲斐。武蔵等国。疋別日四把。信濃。上野国一束。竝日行一駅。遣父馬亦准此。其長牽馬者、不在此限。凡課欠駒直者。疋別徴七十束。待左右馬寮移勘出。凡諸国牧馬皮直。五尺已上稲五束。四尺已上三尺。三尺已上一束。

○延喜５年（９０５）８月１４日【西宮記】《秩父牧》

…朱雀院領武蔵国秩父牧の貢馬が内裏に牽進される。

…於仁壽殿覽秩父御馬。帰御以前黄褂一領。給牧司利春。

○延喜５年（９０５）８月１６日【北山抄】《信濃諸牧》

…信濃国勅使諸牧の駒牽が行なわれる。

○延喜６年（９０６）６月２１日【躬恒集】

…延喜六年六月廿一日　躬恒宣旨

壬生忠岑日次贅使としてかとのかはのにへ殿にあり、かひの使忠岑かかへらむとするに此歌を送る。

……とゝむれととゝめかねつも大井河いせきをこえて行水のおと……　

…かひの国へくたりまかり申し侍けるに

……君かため命かひにそ我はゆく鶴のこほりに千世はうるなり 【続後撰集】

…題しらず

……年ふる思ひなりけりするかなる富士の高嶺に絶えぬ煙は……

…古人云此等の歌を接するに忠岑が本州に在る事年久しかりしと見ゆ、又歌集に本州の人に贈りし歌もあり、忘河の条に記す。

…かひの国にまかりたりしひとにたのみたりし女の人に名立と聞侍りしを帰まうてきて

……忘るれは又も渡らぬうき事の忘れすのみもおもほゆる哉

…陽成院の御つかひにして、かひの国にまかりたりしほとにたのみたりし女の人に名立と聞て、かへりまうて来て遣はしける（この後に長歌あり、省略）

○延喜５年（９０５）【政事要略】《上野御馬》

…駒牽、上野国勅旨牧。

〓延喜６年（９０６）【紀貫之集】《八月駒迎、月次屏風和歌》 …望月駒迎

……あふ坂の関の清水にかげみえて今やひくらんもちつきの駒……

〓延喜７年（９０７）８月１７日【日本紀略】《穂坂牧》

◇天皇、綾綺殿の前で穂坂御牧の駒を観る。

〓延喜７年（９０７）【日本紀略】《上野牧》

…この年、上野国勅使諸牧の駒牽が行なわれる。

    

〓延喜８年（９０８）【政事要略】

◆甲斐守…藤原滋根。勘解由使。

…勘判抄…

一、厩牧事

一、課闕遇死、竝異損ノ御馬。甲斐、藤滋根、無赦判ニ云、闕の怠ハ、国司ヲ責ムルト雖、

而モ填償ノ理ハ、総テ牧監、牧子、長、帳等ニ在リ。須ク見任ハカノ牧監、牧子等に催勘

シテ早ク填償セシムルベシ。

二、課闕駒ノ直無赦判ニ云、前司竝ニ同任及牧子、長、帳等ヲシテ填償畢ハルヲ待テ放還

セシム。（勘解由使に於て国司交替の際に牧馬填償のことを判定）

〓延喜８年（９０８）８月１５日【日本紀略】《信濃御馬》

…御南殿。覧信濃駒。

〓延喜８年（９０８）８月２８日【政事要略】《上野御馬》

…上野国勅使牧、駒牽。

〓延喜９年（９０９）１月１１日【西宮記】

◆甲斐守…(姓欠)正基。補任。前上総守。

〓延喜９年（９０９）８月１５日【日本紀略】《信濃御馬》

…令奏信濃御馬。御南殿覧之。

〓延喜９年（９０９）９月１２日《穂坂御馬》

…中馬一疋、左穂坂赤毛。

〓延喜９年（９０９）１０月１日【朝野郡載】《武蔵国、立野牧》

《太政官符》　

…立野牧ヲ勅旨トナシ、竝八月廿五日ヲ以テ入京ノ期ト定ムベキ事。

…右、右大臣宣す。勅を奉るに、件の牧、宜しく勅旨為し、即と蔭孫藤原道行をその別当

に充て、毎年十五疋の御馬を労飼して、合期牽貢せしむべし。てえれば、国宜しく承知し、

宣に依りて之を行うべし、符到れば、奉行せよ。

【政事要略】《武蔵立野御馬事》

…応立野牧為勅使並以八月廿五日定入京期事。云々。

《仙洞應御製》正治二年（１２００）院御百首上

…大上皇仙洞應御製百首和歌、秋

……もとなれしたちのゝ駒のいはゆるは引わけられて友や戀しき……

〓延喜１０年（９１０）４月２８日【貞信公記】《駒引》依雨延也。

〓延喜１０年（９１０）８月１５日【日本紀略】《信濃御馬》

…信濃勅使諸牧御馬覧之。

〓延喜１０年（９１０）８月１７日【政事要略】《穂坂御馬》 …３０疋…

…甲斐穂坂御馬卅疋牽進、而上卿不候、仍於綾綺殿前。奉覽之後、為覽走之遅速。御二南

殿令馳、此日御馬三疋、被奉仁和寺。一疋給東宮。

《西宮記》

…牽穂坂御馬。上卿不候。於綾綺殿前分取。更御南殿。有覽遅速。以三疋被奉仁和寺一疋

被奉東宮。

〓延喜１０年（９１４）１０月【西宮記】《絵馬発祥？》

…朱雀院領武蔵国秩父牧に馬形絵幣等が与えられる。

…以馬形絵幣等。給秩父御牧。

〓延喜１２年（９１２）４月２９日【貞信公記】《駒引》依雨延也。

〓延喜１２年（９１２）４月３０日【貞信】《駒引》今日大臣不参、小臣候御前。

〓延喜１２年（９１２）８月１５日【貞信】《信濃御馬》

…依雨不覧御馬、親王以下就中陪、馬寮各取五疋。

〓延喜１２年（９１２）８月２４日【西宮】《望月御馬》

…駒牽、信濃望月牧。 信濃御馬２０疋。

〓延喜１３年（９１３）９月１６日【西宮】《上野御馬》

…駒牽、上野勅旨諸牧。

●延喜１４年（９１４）５月７日【類聚符宣抄】

◆甲斐守…藤原貞淵。補任。元上総介。

〓延喜１５年（９１５）９月１１日【本朝世紀】《上野御馬》

…駒牽、上野勅旨諸牧。 　

〓延喜１６年（９１６）３月５日【日本紀略】《奥交易馬》

…天皇御南殿覽陸奥国交易進御馬五十匹、法皇御賀料也。

〓延喜１６年（９１６）この年【河海抄】《秩父御馬》

…駒牽、朱雀院領武蔵国秩父牧駒。　

〓延喜１６年（９１６）この年【政事要略】《秩父御馬》

…駒牽、上野国勅旨諸牧駒。

〓延喜１７年（９１７）８月１５日【本朝世紀】《信濃御馬》

…信濃諸牧の貢馬を牽進する。

…信濃国牧監御船有文の代わりに御船春淵が御前に奉仕する。

…天皇幸武徳殿。有駒牽事。【日本紀略】

〓延喜１７年（９１７）９月７日【日本紀略】《武蔵御馬、秩父牧》

…３０疋…

…陽成院以武蔵國小野牧駒卅匹。引進給。天皇御仁寿殿御覧之後、十八疋奉彼院。

〓延喜１８年（９１８）８月２０日【西宮記】《武蔵御馬、立野牧》

…召武蔵御牧司道行。賜衾一条。立野牧。

（詠、延喜１３年～１８年）

…兼助朝臣左近少将に侍りける時、むさしの御むまむかひにまかりたつ日、にはかにさは

ることありて、かはりにおなじつかさの少将にてむかへにまかりて、あふさかより随身を

かへしていひおくり侍りける。…藤原忠房朝臣…

……秋霧りの立野の駒をひく時は心にのりて君ぞこひしき……

〓延喜１９年（９１９）８月２５日【貞信】《武蔵御馬・御馬御覧》

…綺麗殿被御覧御馬、左右各取疋、云々。

…駒牽、武蔵国勅旨牧及び立野牧（日付から推定）。

〓延喜２０年（９２０）２月６日【貞信】《走馬》…下出河原令走馬。

〓延喜２０年（９２０）５月５日【貞信】《御覧御馬》…御覧左右馬寮御馬。

〓延喜２０年（９２０）５月７日【貞信】《献馬》

…御馬陽成院及び諸家馬、賜通事召名。云々

〓延喜２０年（９２０）５月１０日【貞信】《御覧御馬》御覧宇多院御馬。

〓延喜２０年（９２０）この頃。【政事要略】《令》

…甲斐・信濃・上野諸国と検査牧使に対して貢馬に適した良馬を餞別するように令が出る。

○延喜２１年（９２１）１月２５日【延喜交替式】

…正月二十五日、『延喜交替式』が撰上され、甲斐国に関する規定がなされる。

●延喜２１年（９２１）９月７日【類聚符宣抄】

◆甲斐国主典…秦繁覧(はたのしげみ)に代えて、奈癸(なき)良貞唆が、検甲斐国交替使主

典に任じられる。

○この頃、牧の柵の修理、貢上に堪える御馬の選別などが検牧使らに命じられる。

〓延喜２２年（９２２）９月４日【西宮】《望月御馬》駒牽、信濃国望月牧。

○延喜末年【政事要略(『日本馬政史』) 】《宣》

…左大辨橘朝臣澄清宣す。

右大臣宣、勅を奉るに、諸牧格を造り牧を囲むべきの状、章條已に明也。而して今聞くが如くんば、牧監別当等、此旨を愼まず、無心に拵を営む、茲に因て御馬を田畝の間に放散し、人民の業を損害す、是則ち牧吏格制に遵はざるの致す所也。宜しく検諸牧使に仰せ、毎牧巡検せしむべし。

若し破損を致さば、牧に勘責を加へ、兼て亦た其期限を定めて拵造を勤めしめよ。又牧監等、只年貢を足すを思ひ、馬の長少を計らず。牽進の後は、公用是れ少く、加ふるに、甲斐、信濃、上野等の国の諸牧御馬は其貢上に堪へざるを以て、駅伝馬に充つべきの状條已に存す。仍ち須く使竝に国司牧監等は年貢に堪ゆべきの数、貢進する能はざるの色を、具に註別を以て早く言上せしむべし。

○延喜末年【忠峰集】

…忠峰－《生没不詳》詠歌から延喜末年まで生存…『和歌文学大辞典』

…陽成院の御つかひにしてかひの国にまかりたりしほとにたのみたりし女の人に名立と聞てかへりまうて来て遣はしける。（長歌省略）

……あらはれて聞ゆる事をくるしみて　もえ出てほかにうつる成りけり……

…かひに国へまかり申て

……君が為いのちかひへそ我は行　つるてふこほり千世をうる也……

〓延長２年（９２４）１月２７日【日本記略】《賜馬》

…御賀之臣、宇多院被奉御馬四十匹、御覧之後、左右馬寮、親王、左大臣、賜之。

〓延長２年（９２４）１０月１６日【西宮】《望月御馬》　

…駒牽、信濃国望月牧。

○延長２年（９２４）【紀貫之集／六帖和歌集】

…延長二年左大臣殿北方御五十賀屏風料、歌鶴郡（但北方巳所遂其事）

…延長二年ひだりのおとどの北のかたの御屏風のうた十二首。鶴。

……かひかねの山里みれはあしたつの命をもたる人そすみける……

〓延長３年（９２５）８月３日【西宮】《駒牽》

…駒牽、御馬御覧之後、直分給馬寮事。

〓延長３年（９２５）８月１３日【西宮】《秩父御馬》

…駒牽、朱雀院領武蔵国秩父牧云々。

〓延長３年（９２５）９月２５日【西宮】《上野御馬》

…駒牽、上野国勅旨諸牧。

〓延長３年（９２５）この頃【九暦】《信濃御馬》

…駒牽、信濃国勅旨諸牧。

〓延長５年（９２７）４月１２日【貞信】《御馬御覧》

…御覧家馬於大内。

〓延長５年（９２７）４月１３日【貞信】《駒牽》

…以来月一日駒引可有之事。

〓延長５年（９２７）５月２日【貞信】《駒牽》

…日暮不得兵衛騎射。

〓延長５年（９２７）６月２９日【貞信】《走馬》

…是忠親王賜走馬二疋。

●延長５年（９２７）８月２０日【西宮記・政事要略】《穂坂御馬／駒牽》

…３０疋…

…貢穂坂御馬。即被奉中六条院。即被奉返。於中隔取之。三十疋。

〓延長５年（９２７）８月３０日【貞信】《信濃御馬》

…行幸朱雀院、御覧信濃駒、其儀如令、令馳御覧。

●延長５年（９２７）１０月２６日【延喜式】《甲斐国規定》

《神祇三、臨時際》

…凡甲斐・信濃両国所進祈念祭料雑弓百八十張、甲斐国槻弓八十張。信濃国梓弓百張。

並十二月以前差使進上。

《神祇九、神名上》

○山梨郡九座

…神部神社・物部神社・甲斐奈神社・黒戸奈神社・金桜神社・松尾神社・玉諸神社

・大井俣神社・山梨岡神社。

○巨麻郡五座

…神部神社・穂見神社・宇波戸神社・倭文神社・笠屋神社

○八代郡六座

…佐久神社・弓削神社・表門神社・浅間神社・中尾神社・桙ツキ神社

《諸国年料供進》

…櫑子（らいし）－甲斐。

…蜜（みつ）－甲斐一升。

…紫草－甲斐国八百斤。

《式部上》

…上国－（甲斐）四人

《民部上》

…甲斐国上管、山梨・八代・巨麻・都留

《民部上。甲斐国牧監》

…給、職田六町。

《民部上。年料別納租穀》

…甲斐国、三千五百斛。

《民部上。年料別貢雑物》

…甲斐国、筆三十管。零羊角六具。胡桃子一石五斗。

《民部下。諸国貢蘇》

…甲斐国十壺並小一升。

《民部下。公益雑穀》

…甲斐国、商布四千一百端・履料牛皮三張・鹿皮三十張・紫草八百斤・鹿革十張

・猪脂一斗・櫑子四合

《主計上。麁糸》

…甲斐など十カ国。

《主計上。輪□》

…甲斐など十カ国。

《主計上。東海道》（行程）

…甲斐国。上二十五日、下十三日。

…調－緋帛卅疋、紺帛卅疋、皀帛廿五疋、橡帛十疋。

…自余輪□

…庸－輪布。中男作物。紙。熟麻。紅花。胡桃油。鹿脯。猪脂。

《主計上。諸国出挙正税。公廨。雑稲》

…甲斐国正税

－公廨各廿四万束。

－国分寺料二万束。

－大安寺料一万二千束。

－文殊会料二千束。

－堤防料二万束。

－救急料八百束。

－俘囚料五万束。

《諸国健児》

…甲斐国五十人。

《兵部省》

…凡任牧監者、甲斐国一人、信濃国二人、上野国一人、云々。

（その他略）

●延長６年（９２８）１月２９日【古今和歌集目録】

◆甲斐守…高向利春。補任。

○延長７年（９２９）３月１３日【別聚符宣抄】

《太政官符、民部省》

…応、暫返給六箇国雑田三百六十一町六段二百歩事。

（中略）甲斐国、卅一町七段。闕郡司職田。