山梨県歴史文学館　山口素堂とともに

　甲斐國御開所場　並び甲府よりの道程

　兜嵩雑記（とんがざっき）

　萬澤へ　　　十六里

　山口へ　　　八　里

　黒駒へ　　　四　里

　古関へ　　　五　里

　大井ヶ森へ　八　里

　浅川へ　　　八　里

　小淵澤へ　　九　里

　　長澤へ　　　九　里

　　萩澤へ　　　六　里

　　帯那へ　　　四　里

　黒澤へ　　　四　里

　鰍沢へ　　　四　里

　小荒間へ　　八　里

　湯ノ平へ　　六　里

　鶴瀬へ　　　五　里

　蘆川へ　　　四　里

　　　郡内領口留場

　山中　　長瀬　　秋山　　小菅　　船津　　導師（道志）

　反波山　川口　　上野原　黒垈

村数百七拾ケ村

　高 貳高六百七拾九石八斗三升

　　米　壹萬貳千三百九拾壹石　　　但し三斗貳升三合七勺

　　外に四百三拾九石八斗四升　　　大豆納

　　　　三拾四石九斗貳升五合　　　稗定納

　　　永四百三拾七貫八百三拾五文　納〆

　人数 　合五萬八千八百拾弐人

　　内　男　弐萬九千二百八十九人

　　　　女　弐萬九千五百弐拾三人

　寺　百八拾三ケ寺　修験六人

松平甲斐守殿御家中不残　和州郡山え引越侯節、

御城請取として松平豊後守殿、

享保九甲辰年六月十一日より同十月廿六日迄御在番也、

御代官奥野忠兵衛府中に陣屋有、御支配拾高石、

御代官小宮山杢之迄石和に陣屋有、御支配九高石、

御代官亀田三郎兵衛飯田村に陣屋、御支配九高石、

同年九月廿四日

國中御巡見として、御勘定奉行桐生下野守殿、

御目附長田三右衛門殿、其外御勘定組頭一人、平勘定二人、

御徒目附一人、御小人目附二人御出被成り候、

御巡見被遊、四五日之御滞留にて江戸表へ御帰國被成り候、

同年九月廿六日御勤番御着、則御勤番頭二人、御勤番組頭四人、

其外御勤番衆弐百石以上五百石以下、二百人、輿力二拾騎、

同心百人御着なり。