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山梨県歴史文学館 山口素堂とともに

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2021年12月26日
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峡北地方物故文化人集

 

堀内田力一郎(りういちろう)氏著 昭和36年刊








   

    一部加筆 山梨県歴史文学館 清水

 

 偶感一束

1、筆者の一番気持ちのよいことは、大泉村『鳥の池 鳥の小池 現存』で、夜明けに川で顔を洗い、八ヶ岳高原を眺めると、太陽が静々と上昇する、思わず合唱する、心も身も清浄になる。これ以上気持のよいことはない。

 

雪の化粧はさらりとやめて、

素肌自慢の八ヶ岳

ともじる。

 

1、百計の牡丹も今が盛り、須賀川の多代女七十二の句

入かねて月もおはする花の上

牡丹は花の大様である。今年は一本で七十も花がついた。当他方のぼたもちは、もち飯を大きく握り、小豆のつぶしあん(潰し餡)などぶって食べる。最初は季節から名づけたものであらう。叉、見るからに牡丹の様にようにふくふくとして居る。田舎では最高の御馳走である。

 

Ⅰ、農家で一番あわれに思う先のは、農も済み、長年使われた老馬が博労に売られ、馬はもくもくと着いて行く姿である。千生爪忠岑が、甲斐目代として着任、*稲積荘(甲府)にて

秋ごとにかりるいねはつみつれど

老にける身ぞ置所なき

とよんてある。姥捨山も老婆の希望であったろう。

 

Ⅰ、人問の欲望は、地位の満足、裕福の生活、子孫の繁栄、長寿、富の畜禎と際限がない。而し桧山絵画彫刻其の他藝術と云うものは、一寸誰もが真似は出来ぬ天才的のものである。

その小さな頭脳から何千年も伝わる文化財を産み出すのである。これ等は一朝一夕に発生するものでもない、少くとも二三代前から文化的思想が兆すし、所謂遺伝とも云うべきものであらう。「瓜の蔓には茄子はならない」と云う訳けである。

 

Ⅰ、田舎の文化人と云うものは、農のかたわら歌・俳句かつくるとか、或は公兵事業をするとか、面し

 大ものけ少ない、画人などは本邦し僅か五六人にすぎない。これらの人々は直接間接社会を稗益して居るが、少したてば事蹟は消えて名前も忘れられて終う。之れては残念のことと思い、集録して後世に伝へて置こうという老婆心から出発したもので、また後人の参考の一助にもなるならば幸せである。

 未だ未だかくれた人々が沢山あるが、調査の途がない。何れ補修することとする。

次に筆者在京中、江戸時代からの各種名人の墓所か、約十年三四百箇所実地調査し、墓碑銘も茟録してある。之れも何んとか出版して置きたいと思う。

 

昭和三十三年三月  著者記






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最終更新日  2021年12月26日 16時20分07秒
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