甲斐、都留の古歌(重複する歌あり)
▼ 『風土記』
甲斐の国、鶴の郡、菊花山あり。 流るる水菊を洗ふ。 その水を飲めば、 人の壽、鶴のごとし云々。
▽ 『夫木集』十四 藤原長清撰 【成立-延慶二年 1309】
雲の上に 菊ほりうゑて甲斐国の 鶴の郡を うつしてぞ見る
かひの国つるの郡に菊おひたる山あり、 その谷よりながるゝ水菊をあらふ。 これによりてその水をのむ人は 命ながくしてつるのごとし。 仍て郡の名とせり、彼国風土記にみえたり。
………『和歌童蒙称四』 藤原定家著 【成立-久安~仁平頃 1145~1153】
▽ 延長二年左大臣殿北方御五十賀屏風料 …延長二年(924)
鶴郡但北方巳所選其事
かひかねの 山里みれはあしたつの 命をもたる 人そすみける 『紀貫之集』類従群集。第五
▽ 関白道長
甲斐国 都留の郡の千年をば 君が為延と 思ふなるべし 道長…生、康保三年(966)~没、万寿四年(1027)
▽ 慶賀
すへらきの 君につかへて 千年経ん 鶴の毛衣 たもとゆたかに 『朗詠題詩歌集』類従群集。巻四百二十一
▽ かひへゆく人に 伊勢
君が世は つるのこほりに あえてきぬ 定めなき世の疑もなく 『伊勢集』下 伊勢…生、元慶元年(877)~没、天慶元年(938)頃
▽ かひ 柿本人麿
須磨の浦の 鶴のかひこのある時は 是か千世へん 物とやはみる 『柿本集』人麿…生不詳~和銅元年(708)没『日本書紀』
▽ 甲斐国へくたりまかり申侍りけるに 壬生忠岑
きみがため いのちかひにそわれは 行鶴の郡に 千代をうるなり 『新千載集』【成立-延文四年(1359)】二条為家撰。
▽ 題しらす 八条院六條
よろつよを 君にゆつらんためにこそ 鶴の郡の さなへとるらん 『夫木集』
▽ 祐擧
君が代は つるのさとなる松原の はまのまさこもかす しらねかな
▽ 題しらす 読み人しらす
甲斐国 鶴の郡の板野なる しら玉こすけ 笠に縫らん 『夫木集』【成立-二条為定撰。延文四年(1359)奉覧】
▽ 宗祇法師
はるばると 甲斐の高根はみえかくれ 板野の小菅すゑ なひくなり 『夫木集』
▽ 宗祇法師
友千鳥 さし出の磯や暮れぬらん つるの郡に 鳴きわたるこゑ 『日本名所千句』 宗祇-生、応永二十八年(1421)~没、文亀二年(1502) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021年12月27日 10時10分27秒
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