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2022年01月29日
カテゴリ：馬場美濃守信房資料室
馬場美濃守の墓      『長篠合戦余話』「長篠戦史資料編その五」 長篠城址史跡保存館発行 丸山彭氏著 馬場美濃守は、寒狭川右岸で戦死したが、その墓は、長篠城祉の西方、五百メートル程の位置、寒狭川の左岸にある。 現在、墓場には、馬場信房殿戦忠死の碑、と刻んだ碑と、自然石の碑との二基がある。 殿戦忠死の碑は、明治二十四年十一月二十二日の建立だが、自然石のものはそれ以前のもので、文字は風化してしまって現在は読めない。 建碑工事の折、前からあった墓石の下から、数片の骨片と、素焼の皿二枚が出た。皿の一枚は越後の馬場氏に贈り、他の一枚は林重三郎氏が保存していた。 林家では、その骨辺を馬場美濃守信房の遺骨と信じ他の長篠合戦関係資料と共に、希望者には参観を許していた。 ところが、昭和のはじめ、第八高等学校の学生が林家を訪ねた折「名将の遺骨を見世物にするとは何事か」とひどく憤慨した。 当時の戸主、林勲平氏は感動して、昭和三年五月二十一日、遺骨を瓶に納め、蓋表に、 明治二十四年九月馬場公ノ憤墓ヲ改修シテ遺骨数片ヲ得、 爾来郭林ニ保管セシカ当主勲平所感アリ仇テ之ヲ還納ス 昭和三年五月二十一日 医王寺廿七世良仙識 と記して、良仙師を始め三人の僧侶が、読経して埋骨した。 「『長篠古戦場見聞録』） 遺骨は、大腿骨らしかったとも、頭蓋骨らしかったとも、現在では、話があいまいになっている。 三河国二葉松には、「長篠村、武田臣馬場美濃守信房ノ墓アリ、 出沢ノ沢尻ニテ討死、頸ハ長篠橋場近所ニ埋ム、 此所元禄年間ニ畑トナリ、石塔ノミ今ニ有り」 と記されている。 追録第四話 馬場信房公墓前の詩碑 「長篠戦史資料編その八」 長篠城址史跡保存館発行 丸山彭氏著 馬場信房公前の誌碑 鳳来町長篠字西野々、林英太郎氏所有地に、馬場美濃守信房公の墓（首塚）がある。ここの墓碑の一基は、文字は見えぬが、最初に建てられた墓石と考えられる。他の一基の面 馬場信房公 忠死之碑 と刻まれている。愛知県緋酔町の書家、自樹影翁の銘並書である。越後南蒲原郡一ノ木戸村（三条市）に住む鶴場一族の拠出金によって、明治二十四年（一八九一）建立された。 信房公の墓前に、昭和六十年三月二十二日川田順氏の詩碑を建てた。詩碑の文字は鳳来町文化協会常任理事城田英夫氏の筆である。長野県上田市の馬場千秋（弟）・宗雪（姉）の両氏の御芳志はこの詩碑建立に使わせてもらった。詩の全文は次頁に記す。 長篠 川田順 「馬場信房のおくつきはいずこ」 と問うに 城址の麦刈る農夫ちらと見て 答えず麦を刈りいそぐ ふたたび問えば刈りやめて 「美濃守さまの墓ならば 教えんものを信房と 呼び捨てしゆえ答えんや」 「美濃守さまのおくつきをいずこ」 と問えば汗ふきて 「むこうの辻の地蔵より北へ二丁」 とねんごろに 教えられたる道ゆけば 樹を目じるしの古き墓 「これは日課の一つ」 とて小学児童ら苔を掃く 甲斐の国より攻め入りし 敵将ながら慕われて 寒狭川べに祀らるる 墓のあるじの美濃守 川田順氏略歴 明治十五年一月十五日 東京下谷に生まれる。佐々木信綱門の歌人 東京大学法科卒業（新潮社日本文学大辞典） 川田順氏が来町されたのは昭和十四年と推定される。
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最終更新日
2022年01月29日 12時05分52秒
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