ヤベッ!寝坊しちまった。
毎回趣向を凝らせて楽しませてくれる解説(今回は亀寿さんだったらしい)は
見逃してしまったけど(泣)、お芝居のほうにはギリギリセーーーフッッ!危なっ。
なんつっても、大好きキャラ頓兵衛様のご出演だからねっ!
さてさて、ほっとして席に着くと目に飛込むのは2階席まで押寄せる白の波。
高校生たちのシャツの色…。
一応「衣替えね。」ちっくに冷静さを装ってはいるけど、内心は「お、お願いだからぁ~。」な自分。
ところが以外や以外!いざお芝居が始まってみるとそんな不安もどこへやら
前半、孝太郎さんのきゃぴきゃぴで愛らしいお舟が馬鹿ウケ。つかみはOK。
そうなれば、物語の展開に興味津々のようで最後までお行儀良く観劇されたました。
ゴメンナサイ、誤解してました。あなたたちの心は純白です!(ウマイこと言った?(汗))
『此の年まで仕込んだ根性、釈迦如来が還俗して誤り証文書こうとも―』
コレコレ、これに尽きるよ頓兵衛は!
呆れる位に筋金入りの極悪っぷり。ここまで言われちゃあ、嫌悪感どころか逆に気持ちイイ!
さらに今回の市蔵さんの愛嬌タップリな頓兵衛が憎めなくって、益々好きになりました。
考えてみたら、『物音のせぬようにおれ一人で忍び入らん』って言っておきながら
玄関が開かないから壁ブチ壊すって発想どーなのよ。
んで、そっから吹き込んだ風で灯火消されて、真っ暗闇になって頭ぶつける。
かける言葉もございません。ちーとばかり足りないっ。
藪を掻き分けヌゥ~っと顔を出しギョロギョロ見渡す不気味って思った登場も、可愛く思えてきて
もしかしたら、この役に「聡明さ」みたいのは要らないのかな?なんて。
自分のせいで息絶え絶えの娘を目の前にしても、義峰のことで頭ん中イッパイ。
でも、市蔵さんの頓兵衛は冷酷とは違うのかなぁ。
ただ(方向を間違った)目的のために盲目になって、まるで子供のような頓兵衛。純粋な悪?
そして、ここで孝太郎さんのお舟の
『此の世で添う事ならねども―、未来で添おうとおっしゃったそのお言葉がわしゃ嬉しい』
純愛。
この親でこの娘が育つかぁ?という疑問も、今日は少しだけ納得。
髪をみだして海老反りになるお舟に、刀を構えて覆い被さる頓兵衛のあの場面。
似たもの親子なのに、決して通ずることのない対照的な二人の構図に思えて…
「なるほど、いいモン見させてもらいました。」と、浮かれ歩きで出口に向かうと
ロビーには高校生御一行。どんな感想持ったのか気になって、少し耳を傾けてみると
「あの赤い顔のオッサンってさぁ。」
…悲しいっす(泣)