カテゴリ:音楽
尾崎豊がいなくなって、もう20年。 改めて流れた時の多さに驚く。 そしてまた、信じられないような気持ちでもある。 あれから20年も経っているだなんて。 月日を重ねて変わりゆくもの。 そして、変わらないもの。 『尾崎豊 特別展』は、その相反する事象の差が 一体どこからくるのか、 考えるきっかけにもなった。 携帯電話やスマートフォン、タブレット端末が普及し インターネットは、指先ひとつで手が届く世界となった。 当時、尾崎が抱えていた孤独感や閉塞感など もうどこにもないかのようだ。 「この時代に尾崎豊の歌は必要なのか?」 「今の若者は尾崎の歌に共感できるのだろうか?」 「今、『尾崎豊 特別展』など開いて、 はたして人が集まるのだろうか?」 そうしたすべての疑問は、 会場に足を踏み入れた瞬間、即座に解消した。 そこは多くの来場者の姿であふれていたからだ。 しかも年齢層も幅広く、 オンタイムで聴いていた世代と思しき人たちに加え、 10代20代の若者の姿も多く見られた。 Rock'n' Roll。 実家から運び出され、会場に展示された尾崎の机には そう落書きがされている。 音楽の魔法は、永遠なのかもしれない。 そして、いくら時代が変わろうとも 人の心の葛藤は変わらないのかもしれない。 このイベントのために用意された秘蔵音源、秘蔵映像。 その視聴のために並んだ多くの人の列は、 ライブ入場を待つ、観客の姿のようだった。 そう、まるであの頃のように。 会場を出た所にあるグッズ売り場で、 一人の女子高生がクリアファイルを手に取り、 レジへと向かうのを見た。 なんだか妙に嬉しかった。 変わりゆくもの。 変わらないもの。 あの日の代々木で途切れたはずの尾崎コールは、 20年経った今も鳴り止んではいなかった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2012.09.17 22:46:57
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