★風呂
「何事?」 何かガラガラと音がした。音の原因をつきとめて、唖然としたのが二週間ほど前である。なんと! 風呂のタイルが落ちているではないか!ドア付近の上のほうのタイルが、数枚落ちてしまっている。しかもその周りの他のタイルは浮いていて、いつ広範囲で落ちてくるか、気が気でない状態である。弟の友達が建築関係の仕事をしているので、日曜日に来て貰い、修理にどれほどかかるかを見て貰った。タイルを軽く叩いて、その音の具合から、しっかり壁についている部分と、壁から浮いている部分を見極める。なんとか修理を最小限に留められそうだった。それからタイルを探してくれたのだが、同じ物はもう廃盤になっていたので、近い色を探して貰った。それと私の休みに合わせて、修理の日が土日の作業ということで、結局二週間後に工事となった。この二週間は、不便この上なかった。ドアの振動で落ちてきたわけだから、ドアの開閉は極力静かにして、シャワーをそっと湯船で行なう。夏で良かったよ~、冬じゃぁ寒くてとても無理である。でも、疲れは取れない感じである。やっぱり湯船に浸かったほうが、疲れが取れると思う。シャワーで済ましている外国人が、不思議でたまらない。当初一日がかりと言っていた修理が、半日で終わった。その理由を聞いたら、タイルの接着が甘かったので、簡単に剥がせたのだと言う。私はタイルが落ちてきた原因が、換気の問題だと思っていたのだが、実際はそうでなく、タイルの接着の仕方に問題があったようだ。でも、接着が上手くいき過ぎているのも問題だというのだ。家は地震とかがあると、どうしても歪みが出てくるのだが、その際、タイルがしっかり接着していたら、タイルの中で亀裂が起きる可能性が大きいようで、そうなってしまったら、部分修理では終わらなかったと言われた。では良かったのか?友達に言わせると、築25年でそれは早過ぎるという見解である。でもまぁ、被害を最小限に留めることができたから、私としては良かったと思っている。一番良かったと思ったのは、誰かが風呂に入っている時に、落ちてこなかったことである。何はさておき、このことが一番だと思って感謝している。