★血圧の基準
私は30歳代で7年間、一度家を出て一人生活をしたことが有る。それは母との約束で「結婚以外で家を出るのなら、30歳過ぎにして欲しい」と言われたからである。私の時代で女性が独身で居るという選択は、殆ど無かった。女性は25歳までに結婚するもので、結婚しないのは家の恥のように見られていた時代だった。田舎育ちなので、その傾向は特に強い。だから私はその批判を一身に受けてくれていた母に感謝している。なので私も母の約束を守って、20代は実家に居た。きっちり30歳になってすぐに、マンションを買って家を出た。そしてそのマンションは、私の死ぬまでの住み家のはずだった。ただ、その尊敬する母が倒れてしまったので、やむなく7年間の一人生活にピリオドを打ち、実家に帰ったのである。そこから家族の食事は、母が持ち直すまで私の仕事になった。野菜が大好きな私は、野菜中心の食事にしていった。ある時、今度は父の調子が悪くなり医者へ行ったのだが、そこで医者から低血圧だと言われたのである。実は高血圧だった父は、血圧を下げる薬を飲んでいた。でもいつの間にか血圧が正常時になっていたので、血圧を下げる薬を飲み続けていた父は、低血圧になってしまった訳だ。血圧って、食事の内容が変わるだけでも改善する。現に父は野菜中心の食事になって、それまでの高血圧から正常値に、勝手に戻っていたからだ。それに一日の血圧の変動はとても激しくて、高低差が大きい。一定の数値で一日過ごすなどということは、全く有り得ない。1983年に厚生労働省が、老人保健法による基本健診を開始したときのガイドラインでは、140/90が正常血圧で、要医療が180/100以上だった。だから上が140~180の間と、下の90から100の間は、血圧は正常よりは確かに高いが、治療が必要とまではいかなかった範囲ということになる。それが2000年の年に日本高血圧学会が、正常血圧が130/85未満として、140/90以上を高血圧と判断したのである。それによって高血圧の対象者数は、190万人から一気に2670万人まで増加したのである。この政策で、何処の機関が潤うことになるか‥である。当時のアメリカの基準の影響を、日本も受けたのだが、そのアメリカは1990年代に製薬企業が多くの降圧剤を開発し、その売り上げを伸ばすために、高血圧の基準値を決めたと言っている。現在アメリカ政府は2013年から、60歳以上で「年齢プラス90」までが、基準値で問題ないと発表している。だが日本は未だに基準値が変わらない。アメリカの製薬会社絡みの利潤を受けていた頃と、同じなのである。だからと言って、勝手な素人判断はよくないが、医者の考えを鵜呑みにするのも問題なのでは?と思う。健康は全て医者任せでなく、自分で改善していくことも必要ではないだろうか?