★マイナスはプラスに変えるチャンス
「オカムラ」って言う、オフィス家具の会社を知ってる?私は「カンブリア宮殿」という番組で、初めて知った会社である。オフィス家具業界で、3位を誇っている会社だという。成るほど‥オフィス家具だから、私は知らないわけか‥。でも、この業界の1位はコクヨだ。コクヨなら、多分会社に行ってなくても知っている会社だよね。文房具類って、コクヨが強いもんね。「オフィス家具‥ということは、このコロナの時代、チョッとヤバいかも?」コクヨのようにオフィス家具だけでなく、オフィス以外‥個人対象で、何かを売っていれば大丈夫だと思うけど‥。カンブリア宮殿では、オカムラの社長である中村雅行さん(70歳)をお呼びして、お話しを聞いていった。社長になって9年だというから、オカムラの社長を、61歳から就任していることになる。「オカムラ」の創業者は、吉原謙二郎さん‥。よしわらさん?どうやら岡村さんという人が始めた会社ではないみたいだ。オカムラという会社名は、岡村という地名から取ったみたいである。創業者の吉原さんは、戦時中飛行機のエンジニアだったようだ。戦後はエンジニア仲間と出資して、オカムラという名前で会社を立ち上げた。戦後に、初の国産飛行機を作り、続いて車の製造をしたらしいが、それらは上手くいかなかったらしい。平行して米軍向けの家具を作っていたのだが、それは上手くいったようで、後のオフィス家具のオカムラとなっていったわけだ。改めて社長に、コロナ禍を乗り越えていく秘訣を聞いてみた。「世の中の大きな環境変化があると、必ず新しい需要の芽が裏で出始めていて、それを見つけられるかどうかが、凄く大切である。そして、見つけられたらそれを育てていく‥企業はそうやって伸びていく。」と言われた。コロナ禍で会社の売り上げが伸びているのは、こういった精神を根本に持っているからである。売り上げが伸びている?世の中のオフィスの規模が小さくなっているというのに、伸びているの??それ‥凄いじゃん~、でもどうやって??例えば5フロアの内の1フロアを解約する会社を考えてみる。その会社は、この解約した1フロアに居た人たちを収容できなくなる。それを、どうやって残りの4フロアに割り当てるか‥だ。いままでの概念を全て捨てて考える。単に一人に一つの机と椅子を並べるという考え方では、1フロアを減らせない。ではどうすれば良いか‥。例えば、社員食道を残りのフロアに組み込んでしまうとか‥。部署で区切らない、部署も雑多にして、新しいコミュニケーションの場所にするとか‥と言うふうに考えていく。集中したい時には、一人になれるブースを幾つか作っておいて、誰でもいつでも利用できるようにする。一人が一ヶ所を確保するという考え方は、捨てることだ。無駄を失くして、働き方に合わせたオフィスの機能や空間のサイズを、調整して変更しなおす。オフィス縮小を、オフィス改革という提案力に変えたのである。他にも、机を電動式机(上下昇降テーブル)を作ったり、どんな体格の人が座っても、体にフィットする椅子を作ったりと、コロナ禍で、会社員がどういうモノを求めているかを追求していった。こういった取り組みが、一時期3ヶ月で21億円の利益があったオカムラが、100万円にまで利益が落ちた会社を、持ち直していったのである。100万円の利益は、経費を考えたら490億円の赤字に匹敵する。このままではこの会社には、倒産が待っていることになる。「ピンチはチャンス」社長と従業員が一丸となってアイデアを出し、厄介なコロナをチャンスに変えていった‥それが、オフィス家具オカムラだった。人間はピンチに立たされるとマイナス思考になってしまうものだ。でもそのピンチをチャンスだと捉えて、変化する世の中を乗り切っていく。「オカムラ」のように、ピンチこそチャンスと捉えて、生き残っていく力に変えていきたいものである。