★同じ24時間のはずなのに‥
会社を定年退職して4年が過ぎた。会社員生活が長かったので、辞めた後の生活様式が全く見えていなかった。 私は中学生からの学生生活と、会社員での生活‥合わせて50年の間、時間の使い方に関しては、同じような使い方をしてきた。 50年間、詰めに詰めた時間の配分をして、生活してきたと思う。なので、時間に余裕が有る生き方が、分からなかったのである。 学生の時は、中学で吹奏楽、高校は英文タイプクラブをやっていて、6年間朝練もずーっとやっていた。太陽が昇る前から家を出て、太陽が沈んでから帰宅という生活だった。 会社員になってからは、心理学の勉強をしたりヨガをやったり、音楽関係ではゴスペルやミュージカル、声楽以外では、電子オルガンやクラッシックギター等々を習っていた。 だから家に帰るのは、やっぱり夜中だった。そういう訳で、時間にゆとりの有る生活に縁が無い生き方をしてきたのである。 会社を辞めて、初めて180度違う時間の使い方を始めたことになる。それでも最初は色々手を出して、なんだかんだと出歩いていた。それが本当の意味で生活が変わったと感じたのは、コロナになったからである。 コロナによって家に居る時間が多くなり、そこから時間の流れ方が、今までと全く違うと感じるようになった。 今では、外に出てもいいなぁ~と思う朝の時間は、10時前後になった。起きるのは67年間全然変わらない‥朝5時半前後なんだけどね。 動作が遅くなったというか‥テキパキと用事を済ませなくなったのである。なので、出掛ける時に慌てるようになった。 以前は余裕のある時間の使い方で、バス停には何分前までに着くとか、会社には何十分前に着くといったような、時間の使い方だったのだ。 学生時代、夏休みが終わるだろう今の時期に、妹も弟も宿題に追われていたが、私は7月中には宿題を終わらせていた。そうしないと、落ち着かなかったのである。 なので、8月の終わりに周りがアタフタしているのを、不思議な気持ちで見ていたものだった。 そんな生き方を63歳定年まで過ごしていたものだから、今の自分の時間の使い方には、我ながらびっくりしている。 そして、この時間の使い方を知ってしまうと、何故か元に戻れない。不思議だなぁ‥前の私が生き急いでいるように感じる。もっとゆっくりすればいいのに‥と感じてしまうのだ。もし、過去の自分に会えたら、ゆっくりしろと言ってやりたいものだ。 人間って、どんな状況になっても意外に馴染めるものなんだね。順応性が無いと思っていた私だけど、結構順応してるじゃん~と、我ながら驚いている。 時間が、老化した自分の体に合わせるように、良い意味で変化したのではないだろうか?今はこのスローライフを、思いっきり楽しみたいと思っている。