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カテゴリ:絨毯屋の仕事
今回の日本滞在がやたら忙しく、時間との戦いだったせいか、アンタルヤのテンポが異常に緩やかに感じてしまう。
仕事がつまっている9月以降のことを考えたら、8月末までは細かい仕事はあるにせよ、唯一の休養期間。のんびりできていいじゃないか・・・って。 テンポが緩やかなのはミフリ社長にとっては非常によいことなんだけど、どういうわけかアドナンが退屈しはじめている。 仕事をしたい病にかかっている。 普段から働きものだし、よく動いてくれる。 でも今回の日本行きで、トルコでのテンポがどんなに緩やかでラクだったか私たちを見ていてわかったようだ。 気にしないで、だからトルコに住んでいるんだよ、って思うのだけど、そういうわけで週明けにはエーゲ海に近い小さな都市に無理矢理出張になった。 いずれにせよ、行く予定にしていた場所だが、10月に入ってからかなあ。なんて思っていた。 ブルサで手工芸品の骨董屋をやっているトルコ人の友人とも待ち合わせをして、村々へ古いイーネオヤを集めに行くことにした。 イーネオヤとは、最近日本のパッチワーク通信という月刊誌にも紹介されて、何人からか問い合わせもあったし、私が集めていた古いものは、今年は催事でも店でも驚くほどよく売れた。 縫い針によるレース編みのことで、一般的には女性が頭を覆うスカーフの縁飾りに施されるが、例えば、飾りタオル、枕カバーやシーツの縁飾りなどにも平面のレース編みとして使われる。 私が収集していたのは、一部地域の特殊なもので、立体的な花になっているもの。または平面でも花モチーフ、特殊モチーフで、新しいものではなく、シルク糸による古いものである。 今からちょうど4、5年前に、友人の一人が興味を持ち、彼女のために探したのが始まりであったが、集めているうちに私自身もとりこになってしまったトルコの伝統手芸品である。 このイーネオヤ収集がキリがないと思うのが、キリムと同じで、隙間埋めをしてしまうこと。 どういうことかというと、好き嫌い、気に入る入らないという基準と別に、このモチーフは持っていない、この色の組み合わせは持っていない・・・という風に持っていないものを全て揃えてしまおうという集め方になってしまうことである。 だから自分にないモチーフを見ると、それが好きかどうかではなく、手に入れなきゃいけないという義務感に支配されてしまう・・・・。 さらにオヤをつけるスカーフ部分の布もおもしろく、大きくシルクまたは人絹の1色もの、型押しの花柄ガーゼタイプがある。ガーゼタイプの型押しにも古い手押しのものがあり、それが版がズレていたりして楽しい。ガーゼにも極薄のペーバーガーゼがあり、あまりにもの薄さに息を吹きかけながらでないと広げられないものもある・・・・・ああ、危ない世界である。 というわけで、今回、かなりの数のイーネオヤを手放してしまったので、できてしまった隙間を埋めなくてはいけない・・・と思っている。 それでイーネオヤがでる村民バザール開催日にでかけて、案内人になってくれる村人を見つけて、家々に押しかけるというのが計画。 もちろん欲しいものが見つかるか、かつてのようにモノ自体があるのか、それは行ってみなきゃわからない。 でも行ってみなきゃわからないから、行かなきゃいけない・・・ってことなんだって思っているわけである。 労力を惜しんでは、この仕事やっていられない。 ちなみに新しいお花のイーネオヤを探している方はマルマラ海方面に大問屋が何軒かありますよ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005年08月21日 13時18分31秒
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