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絨毯屋へようこそ  トルコの絨毯屋のお仕事記

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mihri

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2007年07月07日
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同じアパートの最上階の住人は、ドイツで出稼ぎをしている老夫婦である。
ほとんどをドイツで過ごし、たまにアンタルヤへ戻ってくるわけであるが、なんとも迷惑な住人で、アパートの他の住人たちも困り果てている。

というのも、私がこのアパートを買う以前のことであるが、この老夫婦は最上階に住んでいるため、太陽の暑さから自分たちを守るために屋上に砂をまかせたらしい。
そして勝手にまいておいて、他の住人にその代金を請求したのである。
しかも当時1000YTLの費用だったのに、水増していつのまにか5000YTLかかったと言っているらしい。

他の住人は、住人同士の話し合いもなしに無断で勝手にやっておいて、なんで費用を負担しなきゃならないんだ、と、もちろん請求に応じなかった。
普通に考えたら請求するほうがおかしいわけであるが、
この老夫婦「なんで私たちだけが費用を負担しなきゃいけなんんだ、ドイツならこんな不平等な話はない」とわけのわからない思い込みで、逆ギレしている。

しかし理論的でない、この話、住人はもちろん納得するわけない。
老夫婦も顔を真っ赤にして怒鳴り続ける。
住人たちがいくら冷静に「これは勝手にやった話だから請求できないし、自分たちの利益のみのためにしたことだから、無理だよ」と説得しても、ただわめき散らすだけである。

そして、自分たちのこのめちゃくちゃな要求が通らないとわかったら、今度は、まったく関係ない私へ怒りの矛先を向け、ある日突然「あんたのソーラーシステムが私の部屋の上にあるから、どけろ!」と言ってきた。
ソーラーシステムは全て屋上に設置させるわけだから、どけろもなにもない。それに勝手に設置したわけじゃない。アパートの管理人に指定されてその場所においたわけである。少なくとも誰にも迷惑をかけていない。

私にはどける理由はなにもないわけだけど、いきなりきて「どけろ!」と怒鳴り散らされて、わけがわからない。これがせめて「こうこういう理由で、できたらどけてもらえませんか」というのであったら、まだ話し合いの余地もある。(それでも私にどける理由はないが・・・)
それが「どけろ!」と怒鳴るのである。

これは誰が見てもどうみても、この老夫婦がおかしいわけで、他の住人は私のところへ「なにを言われてもどける必要はない、無視していていいからね」とわざわざ言いにきてくれる。

察するに、自分たちの要求が通らなかったから、そのストレスを他人で外国人の女性で弱者(に見える)の私にぶつけただけのことである。

私が彼らの言うことを無視していたものだから、ますます頭にきたらしく、今度は罵詈雑言、ないことないことの中傷をはじめた。私は何も言っていないし、第一、彼らと顔を合わせることもない。

そして最後には集会で、他の住人たちのいる前でいきなり私に「yabanci kopek(よそ者の犬畜生)!!」と言った。これには周囲も驚きである。
私が何かしたとか、言ったならわかるけど、何もしていないのは周囲も承知である。

他の住人に屋上の砂の費用の負担を認めさせられないものだから、おとなしい私を中傷することで、自分たちの立場を維持しよう、評価をあげようと必死なのである。
弱い者いじめのつもりなんだろうけど、私は言われる理由もなにもないから、ちっとも痛くはない。それどころか、こんなことを言って自分たちは鬼の首でもとったかのように思っているのだろうけど、これって、自分たちで周囲の評判を落としているだけだってわからないのかな・・・って、怒りを通り越して、こんな風にしか自分たちの立場を維持できない彼らを、気の毒に思ってしまった。

集会のあとで、彼らの甥にあたる男性が、私のところへあやまりにきた。
「おじとおばの言ったことを許してください。あなたのソーラーシステムは動かす必要ないです。それは私が保証します」
「ありがとう。でも私は外国人だけど、犬ではないし、ここでトルコ人と同じ気持ちで暮らしているのに、なんだかがっかりしました」
「それは彼らがドイツでの出稼ぎで周囲にそういわれ続けてきたから、ここで外国人であるあなたにそれをぶつけたのだと思います」

自分の生き方に自信がある人間は、またはそういう状態にある人は、他人を評価しない。
それはする必要がないからである。
自分に自信がない人は、他人を批判することでしか、自分たちの正当性を訴えられない。


この話はまだ続きがあって、今度はこの老夫婦の娘であるが、早朝、ベルを鳴らし続ける。
なんだと思って窓から顔を出すと、いきなり
「あんたのバカでかいクルマのおかげで私がでられないじゃない!! どういうつもりで私のクルマの隣においたのよ!! どけなさいよ!!」である。

いったいなんのことかとポカンとしてしまった。
彼女のクルマと私のクルマの間は十分あるし、そのままバックすれば一発で出られる状態である。
「クルマだせないの? 私が出そうか」

「なに言っているのよ、これは誰も出せないでしょ、どけなさいよ!!この非常識!!」
すごい剣幕である。しかし誰が見たって、問題があるようには見えない。
「そのままバックしたらすぐ出せるよ」
「出せないわよ、早くきてどけなさいよ!」

これがもし「私は初心者でクルマが出せないので、申し訳ないですが、クルマをどけてもらえませんか?」と言われたら、降りていってどけるつもりであった。
しかし、いきなり怒鳴りまくられて、しかも私が悪いわけでないのであるから、私もカチンときた。


下にいた別の住人が「私が出しましょうか?」と彼女に代わってクルマを出した。
案の定、そのままバックするだけで一発で出た。

それを見て、彼女は自分が間違っていたことがわかったわけだが、それをいまさら認められなくて(性格もあるのだけど)、
「この非常識!! 次回私のクルマの隣においたら承知しないからね!!」と怒鳴りながら出ていった。

まともに口論する相手じゃないわけである。
私は窓から「こんどはちゃんと運転免許とっておいでね~」と手を振って笑顔で見送ってあげた。

いやいや、世の中、困ったちゃんがたくさんいるものである。
一人で罪のない相手に勝手に喧嘩を吹っかけて、罵詈雑言あびせて他人を中傷・批判することでしか、自分のことを世間に認めされられない人・・・・。

これは自分が思っているほど、世間はバカじゃないってことがわかっていない。
こんなことをすればするほど、人間性が疑われるのに・・・・。

まあ、勝手にやってくれ・・・である。





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Last updated  2007年07月07日 23時16分20秒
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