テーマ:ワイマラナー(43)
カテゴリ:犬の尿酸アンモニウム結石
サリーの尿酸アンモニウム結石について納得できない事ばかりだったので、一昨年、自分で調べたキーワードです。
出展までは記録していませんが、論文からの抜粋です。 犬の尿酸アンモニウム結石についての基礎知識は検索かければ簡単にでてきますので、省きます。 proteus mirabilis汚染の尿酸過飽和尿は室温放置で24時間内でph5.5〜9.0に徐々に変化し、リン酸カルシウムマグネシウムの結晶とともに、酸性尿酸アンモニウム結晶の発生をみとめる。 ウリカーゼの欠損、及び低下は尿酸塩結晶をもたらし、何らかの代謝障害、遺伝病が原因。 尿酸が不飽和脂肪酸の酸化に対する抗酸化効果を示す。 アスコルビン酸合成系の欠損した動物は、ウリカーゼも欠損し、尿酸がアスコルビン酸の代わりをしているのではないか。(proctorの説) サリーの子犬の頃からの病歴、食事内容と、尿酸アンモニウム結晶が出るタイミング…飼主が観察した事実と、これらのキーワードを結びつけて導き出した私なりの対処療法です。 この頃、犬に尿酸アンモニウム結石が出るのは、末期の肝臓病の場合と、ダルメシアンとブルドッグに遺伝で生まれつき出る体質があるというのが、獣医学の常識でした。 尿酸アンモニウム結晶は、顕微鏡で見ると梅の花に似た特徴的な形ですが、診る先生に経験値がなければ診断がつかない珍しいものでもありました。 ありふれたストラバイトの結晶はすぐ診断がつくので、尿酸アンモニウムは見過ごされ、ストラバイトの治療をすることになります。 血中尿酸値に至っては、健康な犬は0が当たり前なので検査項目にも入っていないのです。 2015年4月の追記です。ワイマラナーロングヘアードの尿酸アンモニウム結石、数頭出ています。 ワイマラナーロングは運動すればお水をがぶがぶ飲みます。それでもこの結石が出るのは、時々尿酸が分解されなくなる何かが起きるからです。サリーの場合、尿酸が増えるきっかけになるのは強いストレスと酸化したフードの脂、腸内環境の悪化とビタミンC不足。避妊手術をしているので、尿酸値があがりやすいのかもしれません。 ストレスを受けると体内に発生する過酸化物質と戦うために抗酸化物質であるビタミンCが大量に必要です。健康な犬はビタミンCを自分の体内で作れますので、それで戦えます。 サリーはビタミンCを作るのが苦手と仮定します。強いストレスを受けた時にビタミンCが足りなくなります。過酸化物質はどんどん攻撃してきますから何かで抵抗しなければ細胞の危機です。そんな時ビタミンC不足を補うのがとても強い抗酸化物質である尿酸なのです。 尿酸がどんどん体内に増えました。ウリカーゼという酵素が尿酸を細かく分解しておしっこに溶かして排出すれば解決なのですが、上記にあるようにウリカーゼも欠損していると、尿酸が尿中(アンモニア)に溜まります。排泄できないまま尿酸アンモニウム結晶となり大きな結砂になると、膀胱壁を刺激するので炎症が起きます。すると菌に負けてストラバイトもできます。この辺りで膀胱炎からの血尿が出たりしますので、抗菌薬などで治療するとストラバイトが溶けて尿酸アンモニウムも細かい粒子で排泄されてとりあえず治癒します。 抗菌薬服用のタイミングを逃すとストラバイトと尿酸アンモニウムが固まりになり雪だるま式に大きくなってしまい膀胱炎も悪化します。 尿酸アンモニウム結石用の療法食もありますが、それを食べてるダルメシアンが何度も再発を繰り返すと知っていたので私は使いませんでした。 サリーより歳下のワイマロングのオスは、尿酸アンモニウム結石と診断されたまでは正解でしたが、まずは療法食で石を大きくしないようにして様子を見るという診断。 着々と石が大きくなり尿閉を起こして緊急開腹手術。 その後、この先予防するには一生療法食と病院から言われるままに食べさせて、半年後にまた石ができた子がいます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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