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カテゴリ:日本映画
岸和田にはカオルちゃんがいる。
大阪府岸和田市。 だんじりの町で有名。 カオルちゃんは、オッサン顔の高校生。 オッサン顔なので、演じるのは、 当時、37歳だという竹内力、兄イ。 「ミナミの帝王」である。 2001年劇場公開作品。 この後、続編が続く。 人気シリーズになってしまった。 竹内兄イの長ラン姿をご覧じよ。 お父さん役は池乃めだか、お母さんは中山美保。 どちらも「吉本新喜劇」のベテラン。 アルバムをめくれば、 息子は最初、赤ん坊の顔をしていた。 だが、いつのまにかオッサン顔、 竹内兄イが子供の中に混じっている。 「ンガーーぺッ!」「ンガーーぺッ!」 と、痰を切る音が聞こえたら カオルちゃんが、やってきた証拠。 人々は映画『十戒』のように道をあける。 カオルちゃんの痰の量は、尋常ではなく、 カオルちゃんは、ずっとメンチ切っている。 毎日、ケンカするのが仕事で、 相手が誰であろうとも薙ぎ倒す、最強。 強い者には、トコトン強いけど、 弱い者にも、平等に強いようだ。 好きな女の子と、憧れの先生にだけ弱くて、 残りその他大勢は、薙ぎ倒すのである。 つまり、カオルちゃんは、 怪獣なのである、叫び声は「ンガーーぺッ!」 竹内兄イは、原作通り、痰を吐く。 この作品、原作がある。 中場利一『岸和田のカオルちゃん』 この映画を観るきっかけは、 原作を先に読んだことにある。 原作のエピソードを紹介しよう。 記憶による再現なので、脚色になる、ご容赦を。 ぜひ、長ラン姿の竹内兄イを想像して お読みいただけたら、と思う。 「タダでお好み焼き食わせたる」 カオルちゃんにそう言われても 奢ってくれる、というわけではないのである。 アツアツの鉄板に顔、押しつけられて、 店の亭主にケチつけるだけ。 「ワシのカワイイ弟が、火傷してしもた」 落とし前つけるために、お好み焼き、タダにしろ! 「タダでサンバツさしたる」というのもある、 カットの途中、カオルちゃんにドツかれて、ケガする役。 勿論、カオルちゃんは、慰謝料をもらってく。 映画は、好きな女の子のお父さんを助けるため、 ヤクザをとにかく、ボコボコにする。 でも、彼女に好いてもらえるわけじゃない。 彼女は、カオルちゃんを怖がっている。 そら、コワイがな。 日本映画界の怪優、田口トモロヲも、 学ラン来て、高校生役を熱演する。 撮影当時は、44歳だったと言う。 さすがは、『プロジェクトX』のナレーター、 勝手にカオルちゃんをライバル視するが、 会えば、直ちにシバキ倒されるだけ。 長ラン姿の竹内兄イ、エエ顔してる。 高校生の無垢さを微かに漂わせながらも、 完全無欠のオッサン顔。メンチ切り倒し! その顔は、まさに怪獣である。 「ンガーーぺッ!」 えらいこっちゃ、逃げなあかん。 観てたらオモロイけど、相手はでけへん。 なんせ、怪獣やさかい(笑) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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