テーマ:映画館で観た映画(8563)
カテゴリ:アメリカ映画
社会派の映画なのである。
消費社会を痛烈に皮肉っている。 人間はもはや、消費の奴隷、 不必要なものも必要であると踊らされ、 購買意欲をそそられてナントカカントカ。 綿密な脚本と演技派俳優で、 今世紀最大衝撃の問題作っぽくなれば、 どうなっただろう、と思う。 ジョン・カーペンター監督作品。 職を探してやってきたネイダという男がいる。 演じるロディ・パイパーはプロレスラー、 道理で、ガタイがいいはずだ。 工事現場で知り合ったフランクに 紹介された寝ぐらは、教会。 そこでは、メディアの危険性を訴える、 海賊放送とかしててなんだかアヤシゲ。 武装警官が乱入してテンヤワンヤの大騒ぎ。 と、そこまでは、前置き。 問題はそこで見つけた段ボール箱のサングラス。 なんとそれをかけると、 現代の真実が見えてくるのだった。 ビルの上の広告。 雑誌という雑誌、テレビコマーシャル。 「買え!」「消費しろ!」 「考えるな!」「服従せよ!」 絶えず送られるサブミリナルなメッセージ。 それは、異星人が地球を消費社会にドップリ漬け、 支配しているという真実だった。 しかも、そのサングラスは、 人間と異星人を見分けることが出来るのだ。 オマヌケマヌケ骸骨姿。 同じ顔にカツラ変えただけか?の異星人。 だが、世界のエリートはもはや異星人に交代済み、 中産階級もドンドン異星人化していた。 苦悩する主人公のネイダ。 だからフランクとプロレスをする。 「サングラスをかけろ」「いやかけない」 10分ぐらい続くプロレスシーンで目くらまし。 実はサングラスをかけるかどうかは、 とっても大きな問題なのだ。 真実を知って戦うか、 消費社会にドップリ漬かるか。 でも、セメントとかでてくるし、 なんか、本格的で名場面なのである。 それでもつくづく、思うのだ。 社会派の映画だなあ。 真実を知る主人公には仕事がない。 だから金がないので、消費が出来ない。 仕事があると、お金が得られる。 でもそのお金で不必要なものを買わされて、 使いもしないまま捨てられてゴミになる場合も。 大量生産・大量消費・大量廃棄。 挙げ句の果てが環境問題。 地球の滅亡を確実に早めている。 ってワケで、 綿密な脚本と演技派俳優で、 今世紀最大の衝撃の問題作っぽくなってたら、 確実にこの作品はスポイルされていた。 煽動的で政治的、思想的、 そういうオマケがついてしまって、 こんなにも愉しめなかったはずなのだ。 異星人たちは勿論、 地球を滅亡に導こうとしていた。 とっても順調に進んでいる消費社会。 政治家なんてもう、 異星人ダラケのようである。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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