テーマ:レンタル映画(818)
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喧噪が店内に満ちている。
美味しい食事には、言葉がつきまとう。 目に鮮やかな盛りつけに、 「おいしそう」と食べる前から賛辞を送り、 口に運べば頬がおち満足が生まれる。 ワインの味もまた格別。 ウェイター、ウェイトレスが運ぶ皿にも目を奪われる。 皿とフォークとスプーンの音、 そして、こぼれてくる言葉たち。 極上の喧噪がその店にはあった。 ニューヨーク、トライベッカ。 賭けの胴元でもあるルイは。 イタリアンレストラン《ジジーノ》のオーナー。 家庭の味が好きだった彼は、 息子でシェフ長のウードが演出する、 “ヌーヴェル・キュイジーヌ”が 面白くなかったりする。 しかも、長年のビジネスパートナーが殺される。 いろんな問題を抱えていた。 店は極上の喧噪でごったがえす。 厨房では、炎が鍋を熱し、食材が鍋の上を舞う。 シェフたちも、喧噪にある。 ウエイトレスたちも喧噪にある。 料理は喧噪の中から生まれている。 その喧噪。 たくさんの無軌道無方向な音。 いろんな人がいろんな問題を抱えている。 いろんな問題。ギャンブル、夢、金。 もちろん、愛情、男と女の、 オーナーとシェフ、父と息子。 色鮮やかなシーフード、 歯ごたえの心地よさそうなパスタ、 テンポのいい音楽と細かい編集に乗せられ、 無軌道も無方向もまとまらないまま、 《ジジーノ》のオーナーは、 オーナーとしての、 最後の仕事を仕組んでいた。 絶えず喧噪が満ちている。 喧噪の中で料理は生まれていく。 そのことをルイはとても良く知っていた。 知っているというよりも、 その方法しか知らないのだ。 銃声。 ビジネスパートナーの死に、 ルイが下した復讐と、 何よりも大事な息子へ店を渡すため、 《ジジーノ》の抱えた問題を一掃するため、 父親は、巧妙なワナを仕組んでいた。 活気あるリストランテは、 常に喧噪に満ちている。 皿とフォークとスプーンの音、 そして、こぼれてくる言葉たち。 厨房では、炎が鍋を熱し、食材が鍋の上を舞う。 店は喧噪に満ちている。 料理は喧噪の中で食されている。 無軌道なままに見えても、 オーナーの目は店の全てに行き渡っている。 シェフを演じる俳優がカッコイイ。 何よりもルイを演じるダニー・アイエロが、 無軌道な作品を上手くまとめている。 イタリアンレストラン《ジジーノ》 美味しい料理には、喧噪がつきまとう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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