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カテゴリ:アメリカ映画
世界は一つのシステム。
生と死は、世界を循環させ、 受け継がれる知の財産は世界を変容させる。 2293年、高度成長を続けた人類は滅び、 出来上がった世界は二極分化した。 罪さえ犯さなければ 老いることのないボルテックスと、 巨大な石像の神、ザルドスを崇める外界。 荒廃した地で畑を耕す人々は、 人口が増加すると撲殺者に殺される。 逆に撲殺者だけが女を孕ますことが出来た。 ジョン・ブアマン監督、1974年の作品。 ショーン・コネリーが主演である。 牧歌的なユートピアの中に、 顔に胸に毛ムクジャラのコネリー演じる、 撲殺者の隊長のゼッドが紛れ込む。 シャーロット・ランプリングらが演じる ボルテックスの住人たちが若々しく美しい故に、 コネリーだけが異物に見える。 ボルテックス。 永遠を約束された世界、 生と死は循環する必要はなくなった。 外界から食料は供給される、 なんの憂いもない、なんの憂いも。 だが、無気力が生み出される。 時間という制約もなく続く、永遠。 何をすればいいのか。 生殖への興味さえも失われた世界。 そして、世界への疑問。 世界からはみだそうとする者たちには、 罰として「老い」を与えられる。 ゼッドという異物がボルテックスに進入する。 再び、世界は循環をはじめた。 仕掛けられた世界のシステムの崩壊。 争いのない憂いのない、 永遠の「生」というユートピアが崩壊する。 衣装や舞台に近未来の要素を含みながら、 物語は哲学の書物を紐解くように進む。 搾取される労働者と、管理する撲殺者、 ザルドスという神を信じる外界。 生と死は常に隣り合わせである。 そして、永遠を得たボルテックス。 死に近づく「老い」は罰として存在する。 彼らの神は、世界のはじまりから死んでいる。 争いの絶えない現代社会を否定し、 出来上がったユートピアもまた否定される。 世界のシステムもきっと、循環しているのだ。 生と死が繰り返されるように。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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