強くて優しい。
なんて素晴らしいことだろう。

無垢なまでに人類の進化のためにと、
宇宙嵐の秘密を解明しようとするのはリード博士。
天才科学者ではあるがビジネスは下手。
資金集めに一緒に回る同級生のベンは、
心配で心配で気が気ではない。
元同級生の億万長者ビクターに頼みに行くも、
報酬は成果の半分以下の条件となる。
しかもそこにはリードの元カノ、スーがいた。
今はビクターの彼女である。
ベンもまたスーの弟ジョニーの
副操縦士に甘んじることになる。

宇宙ステーション。
なんと宇宙嵐は予想を超えた速さで
５人を飲み込もうとしていた。
リード、スー、ベン、ジョニー、ビクター。
計算外のエネルギーが彼らのDNAに影響し、
それぞれに違った力がその身に宿ってしまった。
だが、一番激しく容姿が代わったベンは
恋人にも怖れられ、誰にも受け入れられない。
ビクターを覗く他の三人も、
戸惑ったり受け入れたり反応はさまざま。

悩むベンは仲間から逃げ出したが、
逆に自殺しようとしていた男を救おうとした。
それがきっかけで道路上は大混乱。
だがベンを探しにきたリードたちを含め、
４人は力を使って人命救助で大活躍する。
ファンタスティック・フォー、
マスコミに取り上げられ、一躍有名となる。
しかしビクターは宇宙嵐の実験で失敗し
銀行に見放され、しかもスーはリードのもとに。
憎しみばかりが増幅されていた。

善や悪を際だたせることなく、
魅力的なキャラクターたちが上手く動き回る。
朴念仁のリードはゴム人間に、
スーは、キスシーンになると透明になる。
火を操り空を飛ぶジョニーは、大はしゃぎだが、
岩の表皮に覆われたベンはやはり辛い。
だが、リードとの友情は熱いのだ。
アクションや爆破シーンはソツなく派手に、
面白く楽しい映画に仕上がっている。
ジェシカ・アルバ、ヨアン・グリフィス、
そして、クリス・エヴァンスが魅力的、
ベン役のマイケル・チクリスも好演である。

ファンタスティック・フォー
彼らは、人々を助けるために力を使う。
強くて優しいのである。
強くて優しいヒーローたちが
縦横無尽にスクリーンで大活躍する姿を観れば、
ワクワクするものなのだ、どうしても。?
古今東西、ヒーローが愛された理由だろう。
1961年に発表されたマーベルコミックが原作。

火を操るジョニーが、
手でアルミパックのポップコーンを作っていた。
リードはストックのトイレットペーパーを
手を何メートルも伸ばして取っていた。
Dr.ドゥームとの激しいバトルはあるのだが、
微笑みながら観れる楽しい映画に仕上がっている。