テーマ:最近観た映画。(40093)
カテゴリ:アメリカ映画
昔ながらのタフガイたちが、
愛する者を守るために、 自分の命など、投げうって戦う。 彼らは囁いている。 だから戦うのだ、だから、と。 その理由に理路整然とした 合理性などどこにもない。 無軌道で自分勝手な純情が原動力なのか。 黒が油の表面のようなモノクローム。 シン・シティ。 満身創痍の男たちと、 強く美しくたくましい女たち。 それと、自由奔放に邪悪な存在は、 世界征服という壮大な夢が、 ここなら叶うという証拠だろう。 こういう映画を観ると、 私はオンナなのだと思い知らされる。 純情な男たちに愛される女と、 簡単に男に嬲られて殺される女と。 そういう愛し方をするのか、と 具体的な表現をすることが出来ずに、 ただ、感じたまま思い知らされる。 これは、男たちの映画だ。 美しい金髪の女神を愛するマーヴ、 強くてたくましい戦う女神を愛するドワイト、 そして、純粋で賢い天使を愛するのは、 ハーティガン、頑迷なまでも強固に貫く。 そしてその対局で、 女を殺す男たちがいる。 殺人マシーンの少女が一人いるが、 圧倒的に数が少なくしかも、 機能的で美学のひとかけらもない。 そう、ザ・マンもケビンも、 イエロー・バスタードさえも、 彼らなりの美学が与えられているのだ。 正義から悪への転落の象徴、 ジャッキー・ボーイもまた同じ。 もうひとつ、 二人のロアークは、 シン・シティという町を牛耳っている。 それは世界を征服するという、 少年の壮大な夢が叶った姿にも見える。 だが、魅力的な映画だ。 コミックという共通の世界観があるから、 俳優たちは背景のない撮影でも、 違和感をまるで感じさせない。 魅力的なキャラクターと 魅力的な俳優がかけ合わされて、 制作側の意気込みがたっぷり詰まっている。 夢のような映像が続く。 モノクロームに華が咲くように、 時折現れる鮮やかな色彩に眼を奪われる。 しかし、私はきっとこの映画を、 骨の髄まで愉しめてはいないだろう。 だが眩いとさえ感じてしまうのだ。 きっとこの作品の世界観を愛してやまない 作り手側の意志の強さのせいだろう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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