ヒヨドリ飼育日記 vol.38
2008年9月28・29日 (58・59日目)いよいよぴーちゃんを外で飼うことにします。家の中が大好きで、このままでは外に慣れないのでは、と思えてきたからです。ベランダに新聞紙を敷いて、いつも使っている物干しスタンドと水桶を出します。私たちが一緒にいると、おとなしく物干しスタンドに止まっています。しかし、私たちが部屋に戻ると一緒に付いて来ます。かわいそうですが、物干しスタンドに止まらせて、入り口を閉めます。しばらくして見つからないように様子を覗いて見たら、床をつついていました。餌やりもベランダですが、物干しスタンドには小松菜を付けておいたので食べているようです。ぴーちゃんの大好きなブドウも置いてあげました。夕方になり暗くなったので様子を見にいくと、ぴーちゃんの姿はありません。ベランダに出て辺りを伺っていると、向かいのガレージ横の金木犀のあたりからピィピィと小さな鳴き声が聞こえてきます。?と思い聞いていたら、突然声の主がピィーと鳴きながらこちらに向かって飛んできます。やはりぴーちゃんでした。しまった、と思いましたが時すでに遅し。帰ってきてしまいました。もう一度物干しスタンドに止まらせて、入り口を閉めます。夜には姿がありませんでした。恐らく金木犀に止まっているのでしょう。本能で、安全な場所を探すのですね。翌朝ベランダに出ると、金木犀からぴーちゃんが帰ってきました。餌を与えます。ブドウも置いてあげます。そして、私たちは部屋に戻ります。 寒い日で、ぴーちゃんはとても寂しそうに見えました。この時はすぐにベランダから姿が見えなくなりました。ブドウは残っていました。しばらくして居間に居る私たちの姿を見つけたのか、部屋に入ろうと窓ガラスにアタックしてきます。姿が見えないようカーテンを閉めると、あきらめてくれたようです。とても心苦しい思いでした。昼過ぎのことです。向かいに住んでいる義母が外でこちらに向かって何か合図をしています。何事かと良く見ると、頭の上にぴーちゃんが止まっているではありませんか。今まで私たち家族以外には近付いたことがないのに、よほど人恋しかったのでしょうか。これでは誰にでもついていってしまいます。すぐにベランダからぴーちゃんを呼びます。ピィーと鳴きながら真直ぐに飛んできて肩に止まりました。部屋に連れて行こうと手に止まらせると、とても安心した様子でおとなしくしています。突然追い出されたことがぴーちゃんに理解できるはずがありません。結果的にぴーちゃんを追い込んでしまったのでしょう。そう思うとぴーちゃんの姿が涙でかすんでしまいました。野生に戻すのがぴーちゃんにとって一番の幸せだと思っていましたが、ぴーちゃんが望むならこのまま飼い続けてあげた方が良いのかとも思うようになりました。