第二章。
2-1 根乃堅州国。そこは鬼の世界。「・・・鬼皇さま。」金髪、金目の少年に声を掛けられた。「ん?何だ龍伯(りゅうはく)か?来焔(きえん)で良いというておるのに」金髪だが毛先が赤い髪を持つ少年は龍伯を見る。「天花さまからの書状」龍伯は来焔に手にもっている書状を手渡す。「鳥鬼の星(ほし)が持って来てたから預かって帰らせた」龍伯は来焔を見る。「うぬ、天花も待っているだろう」封書を開きながら来焔がつぶやく。「何かと思えば・・・呪符か・・・」開いて中身を見て来焔は目を細めてつぶやく。「ただの呪符ではないでしょう」隣で龍伯はつぶやく。「・・・お、さすがは龍伯だ」来焔はニヤッと笑う。「前のと同じ、人に使役されるもの達の生命線。下級の者ですね」龍伯は言う。「天花もこの技を覚えたら良いのにな」来焔は呪符を見て言う。「覚えていたら、天花さまが我々の中で犯人候補の中に入ってしまいますよ」龍伯は冷たく言う。「そりゃ、だめだな」来焔は肩をすくめる。