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躾けについてその２
家内は厳しく躾けられたと自分で良く言う。片や私は甘やかされて放任主義
で育てられた。半世紀が過ぎて客観的にこの二人を見て見た。軍配はどうも
家内に上がりそうだ。

彼女の母親は小学校の教師で国語が得意だった。父親は絵の教師で恋愛結婚
で結ばれ長男と長女が生まれた。父親は衛生兵で中国へ渡り長女が二歳
前に戦士した。だから父親の覚えは全く無く、母親に厳しく躾けられ、教育
されて育った。

栴檀は双葉より芳しい。彼女の小学校の成績表を我が子供が見つけ驚いた。
全優の成績を見て、親父のも見せろと言う。親父の家は教育に関しても
放ったらかし、成績表など何処にあるやら、放置されている間にごみにまみれ
捨てられてしまった。勉強のべの字もとうとう言われないで育った。

でも中学校の頃から、自我に目覚め馬鹿に走るのが上手になり、クラス対抗
には、良く選ばれた。それから絵が上手で大田区の大会で優勝した。
習字でも優勝。そうなると、色々と目覚めてくるのがこの中学生の頃。
私にとって、中学時代が木の芽時期だった。

運動にしても、勉強にしても自分で掴み取って言ったような気がする。だから
娘にも倅にも何か一つ、得意なものを持たせるように仕向けて来た。
二人共、夫々人とは違った優れた技能を持って自立している。

肝心要の家内と私の比較論に戻るが、やはり軍配は彼女に上げたい。
先にしるした、アメリカンスクールで躾けられた大学生と全く同じ
レベルで身の回りの整理整頓は上手なのだ。布団やシーツのあしらい方
料理の仕方、花の生け方、掃除の仕方、風呂の入り方、半世紀も立つと
朝から晩まで露骨に注意されっ放し。頭が痛いこの頃なのだ。


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