高い商品を作るか、クビにするか。
春闘での約5%の賃上げが「33年ぶりの高さ」ということで話題になっている。とはいえ、これは労働組合に加入している人たちの話。中小企業で働く人が7割を占める日本において、組合組織率は1割にも満たないそうだ。仮に全体で5%賃金が上がっていたとしても、近年の物価上昇のペースには追いつけず、実質賃金は低下し続けている。よく聞くのが、「賃金を上げるには労働生産性を上げること」。企業が賃金を上げるのは、前提としてそれだけ多く利益を出さないといけないよってこと。投入する労働に対してどれだけ生産できるかということだ。生産額は生産量×価格なので、生産量を増やせないなら、価格を上げるしかない。みんなが高い商品を作れば、みんなが高い商品を買わされることになるんだけど、多くは生産者でもあり、消費者でもある。例えば賃金が2倍になっても、物価も2倍になったら実質賃金は上がっていないんだよね。記事にある大手企業の一部が、先行投資気味で無理やり賃金上げれば、そのツケは人員削減に向かうかもね。