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カテゴリ:サブプライム問題
「何故経済学者は今後の14ヶ月が本当の勝負どころと考えているか」を市民レベルの視線で書くね。専門的なことはぐっちーさんのブログへGO。
侍さんのブログにも書いたんだけど、ちょっと前は貯金無しカップルが、3000万くらいの家ならば買えていた時代が続いていたんだよね。その時の状態はこんな感じ。 B(購入者) M(モーゲッジ会社) B「あの~頭金無しで、家買いたいんですけど」 M「あっ全然OKですよ。今はいろいろプランありますし。収入の方はいくらですか?」 B「実はちょっと前に家内が失業しまして。来月には再就職予定なのですが。今はちょっと低いかも」 M「あ~そうですか、それなら近い将来奥さん込みの収入がいくらになるかでローン計算しましょうね。(これがStated Income Loanと呼ばれる物で収入証明が出来ない人用のローン)」 B「頭金はどうなるんでしょうか?」 M「大丈夫。頭金の20%はそれ専用(サブプライム)のモーゲッジ会社から組んで、残りの80%はうちで組むから。頭金の分のローンは利率がちょっと高くなっちゃうけど(大抵8%-10%)収入が増えたときに、好きなだけ上乗せして払っていいから、先に利率の高い頭金ローンを払っちゃって、後からうちのローンを払えばよいよ。」 B「って事は、二つの会社にモーゲッジを払うんですよね。1つが利率8%強で、もう一つが5%強か・・・ちょっときついかな・・・」 M「大丈夫。両方のローンとも、初めのの数年(大抵1-5年)は利子分だけの返済でいいから。そうするとホラ、月々700ドルで住むよ」 B「おおっ!それなら今のアパートに払ってるより安いよ。」 M「じゃあ、初めの3年は利子のみで、その後元本を払出だすということでいいよね。今は利率が安いから、今の利率を固定しようね。貴方のローンだと30年固定は無理だから10年(大抵、サブ利用者は10-15年が固定の限度)ね。その後はFF利率の1.5%増しというでOKかな。」 B「なんだかよくわかんないけど、700ドルで家がかえるなら何でも良いです!」 M「おっ!ちょっとまって!家って引越しとかリモデルとかで意外と出費がかさむでしょう。奥さん失業中なんだよね。大丈夫?」 B「い・いいえ・・・」 M「あのね、お客さんが目をつけてる物件3000万って売りに出ているけど、当社の査定(問題となっている粉飾査定)だと3500万の価値があるのね。どう、500万借りてく?(購入と同時のホーム・エクイティーローン)」 B「えっそんなことできるんですか!?家が頭金無しで手に入ってお金ももらえるの!?」 M「お客さ~ん、今、不動産はお金のなる木なんですよ。皆やってますよ。」 B「じゃ、よろしくお願いします。」 M「OK、じゃ紙に適当に収入書いておいて」 今までの段階でおきていることは、不動産会社が簡単にモーゲッジを組ませなくなったために、販売個数が減り、不動産の価格が下がっている=不動産投資価値下がる。 だけど、前の記事にも書いたようにとんでもなく甘い審査で、バンバンお金を貸していたので、ある意味不動産業務が普通に戻ったといっても良いかと。 今、経済学者が心配しているのが利子オンリーの支払い、また固定利率の支払いの期限が切れて変動性利率に移行する大量の国民がいる事。利率オンリーの人なんて、700ドルの支払いが一気に2500ドル程度になるはず。 すでに景気は下がり気味の今、モーゲッジの急激増額に耐えられる家庭はそうないと思われるので、Foreclosureがこれからの14ヶ月で爆発的に増えるのではないか。そしてそれに連鎖して(以下繰り返し)・・・ 銀行が没収した家も、自分達の割り増し査定が首を絞めることになり、処分しても貸した金額を大きく割り込むはず。現在、この割り増し査定については法で裁くべきだというような意見を言っている人もいます。 ということなので、本当のサブプライムはこれから始まる14ヶ月が鍵です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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