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カテゴリ:英語教育-1
大手英語教室での修業時代に、
講師の指導・管理という部署に移動になった時の研修で、 早期英語教育の巨匠から、 「講師の方々は、英語の成績が優秀だった方が多いから、 生徒がつまづくと、どうしても自分が習得した方法で 教えようとなさって、指導法が違ってしまうことが多々あります。 注意するように」 という話しがあった。 特に具体例が示されたわけではないので、 何を注意すれがいいのだろう、 それまで、モデルレッスン以外、 他の講師の授業を見たことがなかった私には 巨匠の話が理解できなかった。 私の担当していたエリアに有名国立大学を卒業後 中学で英語を教えていたベテラン講師がいた。 事務所にその講師の生徒のお母さんからクレームの電話が入った。 「子供が授業が難しくて、おもしろくないと言うので、 授業を見にいったら、文字を書かしているではないですか。 遊びながら英語に親しむということで子供も楽しみにしていたのに 話しが違うじゃないですか」 慌ててその教室へ飛んでいった。 開講して3ヶ月目の小学2年生のクラス 事前に講師に連絡していないので、 教室の中に入って見るわけにはいかないので、 窓の外から先生に見えないように、中の様子を見る。 レッスン開始5分、簡単なグリーティング(英語)は、講師マニュアル通り、 次は、歌のはずなのだが、 講師は突然ホワイトボードに天気を英語で書き 日本語で「覚えていますか?先週ノートに書きましたね。」 こんなレッスン、マニュアルのどこを探しても書いてないし、 日本語は原則的にレッスン中は使用禁止で、 やむをえず使用する場合は、 英語のイメージを損なわないように注意する、 と、研修で耳にタコができるくらい聞いているはず。 (私も講師時代に研修の度に聞かされ、うんざりしていたほど。) 次のレッスンは、開講から1年2ヶ月の4年生。 使用しなければならないテキストをやったのは、僅か15分 残りは、中学1年生の問題集のコピーをやらしていた。 レッスンの終了を待って教室に入り、 クレームの電話があったことを伝えるも 私のレッスンは、マニュアル通りの指導するより成果が上がっていて 親御さんたちにも喜ばれています。 そのようなことを仰るのは、 その方だけで、気にすることはないと思います。 と、言うのを聞いて、巨匠の話していたのは、この事だと思った。 この講師は、読み書き中心で英語を学習し、 リスニングとスピーキングは二の次にしていても 英語ができるようになったので、その方法がいいと思っているのだ。 生徒の年齢など関係がない。 英語を始めてからの期間で、レッスン内容を決めている。 これでは、早期に英語学習をする意味がない。 年齢やインプット量に合わせて 聞く、話す、読む、書く 4技能のバランスは変えるべきなのだ。 英語子育てをしているお母さん方には、 是非、聞く、話す、読む、書くのバランスに注意して お子さんに英語を学習させて欲しい。 英語圏の小学生の学習教材は、その年齢が興味を持つ内容で、 子供にとっても親しみ易い内容になっていて、私も使用しているし 使用している方も多いと思う。 しかし、どんなに努力しようとも 朝から晩まで、英語を聞いて、話している英語圏の同年代の子供達より 遙かに英語のインプット量は少ない。 そんな当たり前のことを忘れて 英語圏の同学年用の教材をそのまま、 英語圏の子供達と同じように使用してしまうと 知らないうちに読み書きの比重が高くなってしまう。 このくらいなら、読めるだろう、書けるだろうと 教材を選択してはいないだろうか? 読める、書けるを重要視ししがちな お母さん自身の英語の習得方が影響してはいないだろうか? 早期英語教育は、母国語を習得したように自然に英語を習得させ 将来4技能をバランス良く使えるようにする土台を作ることだと 考えて私は、指導している。 日本の教育システムで学習させていくのであれば、 中学以降、読む、書くの学習量が非常に高くなってしまう。 もし、私と同じように考えて英語子育てに取り組んでいるのなら、 子供のうち、特に英語学習の臨界期と言われる9歳までは、 意識的に聞くことに比重を置くべきだと考え 聞いて理解したことを、他の3技能で使用する形の学習方法が望ましい。 文字がない状態での暗唱が比較的簡単にできるのも この年齢までだ。 少なくとも、中学入学前に 読んで理解する力が、聞いて理解する力を、 書く力が、話す力を超してしまう、 という状況にならないように留意して 教材選びはもちろん使い方を工夫することが必要だと思う。 今日から生徒達の海外研修です。 2日の帰国まで、更新が不定期になると思いますが ネット状況が可能であれば更新の際に 研修の様子などもお伝えしたいと考えています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008年03月26日 11時13分59秒
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