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夢先生の玉手箱-annex

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2008年04月20日
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カテゴリ:英語教育-1
今日は、少々堅い専門的な話です。

児童英語教育を含む早期英語教育には、さまざまな指導法があるが
私の教室は、ナチュラルアプローチ法をベースに指導している。
アメリカの第2言語学者クラッシェンらの5つの仮説
1.学習と習得
 第二言語学習は、文法を意識的に学んで知識を蓄積させるのに対し、
 幼児の母語習得のように無意識に獲得する習得とに区別される。
2.モニター仮説
 意識的に学習された文法の知識は、第二言語の運用に際して
 文法的正確さをチェックするモニターとして働くのみで
 発話に貢献することはない。又、文法規則を十分に知らないと
 有効に活用することはない。
3.自然形態素習得順序仮説
 自然な状況の中で言語の学習が行われる場合は、
 母国語と外国語の区別なく文法形態素は予測可能な順序で習得される。
4.インプット仮説
 最も有効なインプットは、学習者が習得した能力より少し上のレベル。
5.情意フィルター仮説
 情意フィルターすなわち、心理的障害は、高いモチベーションと
 前向きに学習を楽しむ態度が作られると低くなり、
 インプットされたものが効果的に吸収され、言語習得の成功率が高くなる。
これら5つの仮説から導かれた原理が下記の4つ。
1.理解は、表出に先行する。
 表に出てこなくても理解している。
 発話しないからと言って理解していないわけではない。
 →多量に聴くことが大事
2.表出は段階的に生じる
 発話は段階的に起きるので、発話を強制したり、誤りを訂正しない。
3.学習者の情意フィルターを低くする。
 楽しみながら学習させる。
4.場面シラバスを用いる
 ナチュラルアプローチは伝達能力を身につけることにあるので、
 文法中心のシラバスではなく話題中心、場面シラバスを用いる。

私の教室の指導方法は、この考えをベースに作られている非常にシンプルなものだ。
1.母国語を習得したように指導する。
(幼児から小学校2年生まで)
2.年齢的に概念のないことやイメージできないことは教えない。
(2年生までは、年齢別クラス編成をベースとし飛び級は1学年まで
 年長と小1は原則同じクラスにしない)
3.習得に優れた時期を見計らって4技能を導入する。
4.幼児や低学年から学習を開始した場合、規則に興味を持つ10歳を目安に
 文法シラバスへと徐々に移行する。
(レベル別クラス編成を主体とする。)

私の15年間6レベル(但し下2レベルは6年と9年)のカリキュラムも
この指導法に沿って作られていて
講師は、担当クラスに該当するレベルのカリキュラムに沿って
教材を選択し、レッスンプランを作って指導している。

しかし、この方法もすべての年齢に有効なわけではない。
実際この方法が有効なのは、8歳までで、
臨界期である9歳をすぎ、母国語の干渉が強くなると
効果的な指導法とは言えない。
従って、私の教室では、レギュラークラスの英語学習未経験者の受け入れを
1年生までとしている。

今月開講した私が指導している1年生クラスは、
今週から課題曲が入ったCDを聴き、
今月の課題曲と指示された歌を歌えるようにするという、
多読ならぬ多聴きの為の家庭学習を開始する。
聴く力が落ち始める2年生の後半まで、
どこまで聴く力を伸ばせるか、
これからの1年間が最初の勝負だ。






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最終更新日  2008年04月20日 09時01分20秒



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