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夢先生の玉手箱-annex

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カテゴリ:英語教育-1
昨日、夏期講習をしていたら、どやどやと
10分後に始まる1年生クラスの生徒とお母さん方が
教室にやってきた。

いつもは、その時間に私が教室にいることはないので、
夏期講習の生徒を教えている私を
誰この人?という目でみるお母さんもいれば、
ご挨拶をと、生徒の後に並ぶお母さんも。

ロビーの片隅で見たことのない
4、5年生とおぼしき女の子が本を読んでいた。
スタッフに「あの女の子は誰?」と尋ねると
「小1のS君のお母さんと一緒に入ってきたので、
 S君の小4のお姉さんでしょうか?」

私の教室は、ナチュラルアプローチ法を指導法と
暗唱による習得法を行っているので、
英語学習未経験者の受け入れは、年少と小1の新規開講クラスのみとしている。
それも、カリキュラムに沿ったレッスンが始まる前の
3ヶ月間しか受け入れていない。
昨年は、たまたま塾に依頼されて高学年用の指導法とカリキュラム作成の
データー収集の為に、高学年の生徒3名を受け入れ、
特別なクラスを作ったが、もうそのようなクラスを作る予定はない。
この事は、生徒のお母さん方にも浸透していて、
お友達のお母さんに通いたいと相談されても
「ウチの教室は、初めての子は年少と1年しか入れないから」と
答えていただいているようで、S君のお母さんも
同じクラスのお母さんから、4年生は入れない、とすでに聞いていた。

弟が入れて、お姉さんが入れない、
考えてようによっては、なんと理不尽な酷い教室だ。
子どもにとっては、指導法もへったくれもない。
入れてくれない、意地悪な先生だ(笑)
気のせいか、時々投げかける視線が冷たい…

「お姉さんですか?何年生ですか?」
「4年生なんです。入れてやりたいと思ったのですが、
 1年生までしか入れないと聞いて…」
「すみません。私たちが行っている暗唱を主体とした習得法は、
 8歳までの子どもなら受け入れるのは簡単なのですが、
 年齢が上がるごとに受け入れることが難しく
 学習者に負担がかかってしまうので。
 それと、英語の楽しさ面白さで興味を惹くレッスンは
 どのクラスでも終わってしまっていて、
 習得してできる楽しさ、学習する楽しさを学ばせるレッスンへと
 進んでいるので、単純な楽しさ、面白さを教えてあげることができないし、
 同学年の子は最低でも3年は学んでいるので、
 クラスに入った途端に、できないというコンプレックスを
 この年齢の子どもに持たせてしまうことが嫌なのです。
 以前なら、1年ほど駅前のウサギに通っていただいて
 楽しさを学んでいただいてから、
 私の教室に編入していただくこともできたのですが、
 駅前のウサギが閉鎖されてしまったので、
 できなくなってしまったのです。
 プライベートレッスンを作りたくても
 空いている枠がありません。」
いつの間にか、女の子がお母さんの隣に立ち
話を聞いていた。
「ちょうど、S君の暗唱の宿題が始まりますから、
 お姉さんにもS君が聞いていない時に
 テキストを見ながら、CDを聞いて覚えさせてあげて下さい。
 それと、中学に入る前にphonixという読みのルールを覚えておけば
 綴りを覚えることが簡単になります。
 CDを聞いて英語に興味が出るようでしたら、 
 phonixを指導する時に見学させてあげようと思います。」
「いいんですか?」
「生徒として教えてあげることはできませんが、
 せめて、このくらいのことはさせて下さい。」
 後、2年間、S君のCDを聞いて、言葉を覚え
 英語が読めるようになっていれば、
 中学で困らない程度の習得はできると思います」

時として、理想を貫くことは、とても辛い…。
帰り際、女の子が私に向けの視線が、
やってみる、に変わっていたことが嬉しかった。

すぐに教えてあげられなくてごめんね。
でも、精一杯応援するから
英語を好きになってね、と
下駄箱の前で靴を履き替えている彼女に「See you.」
と声をかけて、手を振った。






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最終更新日  2008年07月25日 01時38分01秒



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