夢先生の玉手箱-annex

昨日、名古屋からお父さんの転勤で
教室の近くに引っ越してきたという
中2の女の子と小5の男の子のレベルチェックがあった。
先月の英検で、お姉ちゃんは、英検準2級、
弟君は、英検4級に合格したという。

二人とも年中さんから
英語教室で外国人講師による指導を受け、
そこでは読めるようにならないので、
4年生から日本人講師がやっている
英検対策を売りにしている教室にも通い始めたという。
お母さんの話では、英語教室ではできる方だったし、
学校の英語の成績も良いという。

中学2年生に英検準2級を受験させるのだから、
少なくとも中学2年範囲の学習は終わっているだろうと考え
夏期講習で使用している中3用の一学期のまとめのテスト（標準レベル）を
使って文法と読解のレベルをチェックしたのだが、
3年の学習範囲だけではなく、2年の学習範囲もできていない、
be動詞と一般動詞を一緒に使うなど初歩的なミスも…。
外国人講師もレベルチェックをして首をかしげ、
まだ3級を取得していない生徒達のクラスが望ましいという判断。

「ひょっとして、英検準2級も問題集ばかりやっていたの？」
「はい。」と言って英検準2級全問題集をカバンから取り出した。
お母さんは、テストの結果がショックなようで、
「英検準2級に合格したからと言って、
　英語を理解しているというわけではないのですね。」
と、話される。
「いつの間にか、両方の教室が英検の為の勉強しかしなくなってしまって。」

英検は合格させようと思えば、過去問をひたすら解かせ
頻出の語彙を覚え込ませることで合格させることができる。
しかし、それは英語力の向上とは、ほど遠い指導のように思え、
目的達成の為には手段を選ばずといった感じすらする。

バツだらけのテストを前にして
気落ちしている様子だが、
私の説明を一生懸命聞いている。
「英検の問題を教えてもらっている時、どうして答えがそうなるかわかってた？」
「わからなかった。ただ、なんとなくそうかな、って。」
「どうして、そうなるかわかるようになりたい？」
「はい。英語ができるようになりたいです。」
「わかった。この教室は今できなくても、
　できるようになりたい、という気持ちのある子を
　教えたいと思っている教室なの。
努力してできるようになるのは、あなた自身で、
　私たちは、そのお手伝いをするだけ。」
「はい。」
「1年生の最初からやり直すことが必要だと思うけど
　それでもいい？」
「はい。」
元気よく即答。

「夏休みに時間があるなら、来週の火曜日から
　夏期講習を始めてみるといいと思うけれど
　家に戻って、お母さんとお父さんとよく相談して決めてくれればいいから。」
お母さんにも、塾との兼ね合いもあると思うので、
よくご家族で相談して決めていただきたいと告げた。

そして、今日の夕方、来週の火曜日から
夏期講習を始めたいという連絡がお母さんからあった。

名古屋から、ようこそ私の教室へ