|
カテゴリ:英語教育-1
某有名予備校の彼の志望校である大学名を冠したコースに通い始めたYが
英語構文の授業で配られたプリントを持って 昨夜実教室にやってきた。 「どうしてこんなことを勉強しなければならないのか さっぱりわからない!」 と、彼がテーブルの上に置いたプリントには 例文の下にS、V、O、Cの品詞名や 名詞節だの副詞節だの文法用語がびっしり書かれていた。 日本語の読み書きが不自由なく(正しいかどうかは別として) 「できる」と思っている中学生が国語の文法の授業に対して なんでこんなものをやらなきゃならないんだ! と考え、面倒くさがるのと同じ状況である。 確かに彼は、このプリントに書かれていることを 勉強しなくても語彙力をあげれば、 偏差値は3程度あがり、70を越すことはできる。 ましてや、最近の難関大の入試問題は 1000語を越える長い文章を読ませて 字数制限をつけて要約させたりする記述問題や、 内容把握など、一文一文を正確に読む力より 全体の論旨を素早く理解するという問題に シフトしてきていて彼に有利な状況だ。 しかし1点でも多く取らなければらない受験英語においては 「できる」ではなく「間違えない」ことが必要であり 正確さを高める為には論理的裏付けがあるにこしたことはない。 そして今後作り出す英文の質を高める為にも構造理解は不可欠だ。 と、あれこれ説明するも彼の不満顔は変わらない。 彼がテーブルに置いたテキストを見ると 表紙に英作文と書かれたものがあった。 彼は、和文英訳系の問題が好きで、 私がそのテキストを手に取ると 模範解答と自分の答えとの違いについていろいろ尋ねてきた。 「模範解答の文と自分の文を比べてどう思う?」 「う~ん、自分の文は模範解答と比べると文が幼いと思う。」 「わかってるじゃない。 構造理解を深めることが大切ということよ。」 再び例のプリントを広げ、 構造理解を深める為に役に立つ箇所を見つけだし説明をすると 彼の顔つきが変わってきた。 これで予備校の構文の授業にも前向きに臨めるだろう。 やれやれだ 早期英語教育で英語を見につけた子がぶつかる壁があり その子たちなりの乗り越え方、活かし方がある。 卒業後であってもそれらの方法を教えることは、 習得に携わった私の責務だと感じた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009年05月01日 14時55分49秒
|