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テーマ:小学生ママの日記(28711)
カテゴリ:子どもとの係わり方
昨日に続き今日もこちらの本から
完璧志向が子どもをつぶす 原田氏は更に早期知育教育について 目標を明確に持って、無駄なく、効率よく マニュアル通りにまちがいなく という日本社会の風潮に馴染んできた親たちにとって 答えのはっきりしない一見無駄ばかりのような苦しい育児の中で 早期知育教育では目に見える成果が得られ 落とし穴にはまってしまう親がいても 不思議ではないと言う。 早期教育を子どもにさせる親は、自覚的には一生懸命に子育てをしているのである。 しかし、ただ“一生懸命に”だけでは子どもは育たない。 生まれて間もない子どもにとって、最も大切なのは、 安全で安心していられる環境である。 言い換えると、“無条件の愛”である。 ところが、早期知育教育に熱心な親の愛は “条件付の愛”である。 親の要求するお勉強や習い事などの課題をこなして 初めて得られる愛である。 このあたりのことが中学生や高校生になり行き詰まり 思春期やせ症になる子どもたちの典型的な原因である。 誤解のないように言っておきたいが、 子どもに課題を与えて、できたら褒めるという “条件付の愛”のすべてが悪いと言うのではない。 “条件付の愛”ばかりになってしまうのが問題なのである。 早期知育教育に走ってしまうと 親主導だけに親も教室に連れていったり、 教室の課題をやらせることに懸命になり 時間的にも精神的にも余裕のない状態に 視野も狭くなる。 気がつけば条件付の愛ばかり与えている状態に なってしまっているのではないだろうか。 今の子どもたちの育ちの大きな問題点は、 親子の距離が近すぎることである。 近いために子どもは親の期待を強く感じ取ってしまい、 親の期待に応えてしまう。 特に「いい子」タイプの子はそうである。 以前もこのブログに書いたが、 小学校中学年の生徒達に「いい子」ってどういう子?と尋ねると 「お母さんの言うことをよくきく子」という返事を返す生徒が多い。 そしてそういう返事を返す生徒たちが口を揃えて言う台詞が 「私(僕)は、お母さんの言うことがきけなくて、 叱られてばかりいる悪い子」だ。 「お母さんが叱るのは、もっといい子になって欲しいからであって 本当に悪い子だったら英語なんて習わせないし、叱りもしないと思うよ」 と、フォローするも 日本の中高校生の多くが「自分はダメな人間だと思う」と 答える下地はかなり前から作られていると感じる。 この本でも原田氏が最近強く感じているのは 子どもが小さい時ほど、親の力が圧倒的に強い ということだと書いている。 親の想像以上に親の言葉や態度は 子どもに強く影響を与えていると言うことだ。 親や先生の期待に応えること自体はいいことである。 ところが、人間の心の成長は複雑な面を持っていて、 親や先生の言うことばかりに応えていたのでは、 柔軟に人と交われる心は育たない。 そこが現代日本での子育てのむつかしさのひとつである。 先生や親の意向に従って生きられるのは、 せいぜい小学校までである。 中学受験を終えて自分の長所も 将来何がやりたい、という事も見いだすことができずに 目の前の楽しみだけを追いつづけるという 長い中だるみのトンネルから抜け出せない生徒達 子どもは心底「したい」という要求に基づいた体験をする中で、 自分がしたいこと、将来なりたい夢を試行錯誤しながら作り上げていく。 その作業をする余裕がないくらいに、 「…すべき」ことが待っていたのである。 この「…すべき」ことが 子どもが自分で決めたことではなく、 親が決めて与えた「…すべき」こと と、いうのが問題なのだと思う。 次回は、この本に書かれている 子育てとは親の価値観を具体化したもの について考えてみたい お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009年10月14日 10時56分24秒
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