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夢先生の玉手箱-annex

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カテゴリ:英語教育-1
12月14日付けの日記にいただいた
質問にお答えしたいと思います。

12月14日の日記とコメントはこちら

メイは苺のメイさんへ

まず、文字数に制限のあるコメントでのご質問なので

>うちの子は今、母語方式の英会話教室に通っていますが、

一般に母語方式と括られている指導法は数多くあり
どのような指導法、クラス編成がなされている教室なのか
わかりませんが…

>その教室の主流というか主力というか・・・・・・は、
 やはり未就学の頃から始めたお子さん達。
>就学後の入会者は、一部の編入組を覗けば、
 生徒ではなく「お客さん」として教室の経営を支えるだけの存在です。
>同じクラス(レベル)の保護者達は、

ただ未就学の頃から始めた生徒が多いだけではなく
その生徒達の習得に合わせたレッスンを行っている。
つまりレベル別クラス編成にはなっているが
厳格ではなく
母語方式を習得に結びつけるために必要な
インプット量を確保する家庭での取り組みを行っていない
教室なのではないかと推察できる。

>このままその英会話教室をずっと続けていれば、
 いずれは「英語が喋れるようになる」と信じていますが、

今、何歳なのか?
そして、「何歳」で「どの程度喋れる」ことを意味しているのか?

>先日レッスン風景を見学して
 「ここにいる限りそんな日は来ないな」と確信しました。

また、レッスンの中にそのように強く思われた
何かがあったことはわかるが、
それが具体的に何かがわからない

>夢先生のお教室には「このまま続けさせても・・・」
 という生徒さんはいらっしゃらないのでしょうか?
>そういう生徒さんがいた場合、
 どのように指導なさっておられますか?

『このまま続けさせても…という生徒』が
=レッスンについて来られないレベルの生徒
=お客さん
という意味なのか、
コメントのタイトルからの流れから
『英語習得に向いていない生徒』を
意味しているのか…

>子どもにとって良い判断をする為の1つの参考意見として、
 お聞かせ頂ければ幸いです。

子どもにとって良い判断が、
『他の指導法で指導している教室に変える』ことなのか
『英語を習うことを止める』ことなのか…

と、肝心な部分を推測、仮定で
答えさせていただくことに加えて
ブログではお答えできる範囲に限度がありますので
参考にならない可能性が高いことを
ご了承いただきたいと思います。

英語だけを取っても様々な指導法、講師の考え方がありますが、
私は、外国語が習得できないというLDでない限り
誰でも、習得に必要な自主的で能動的な努力をすれば
外国語は、母語である日本語と同レベルに習得でき、
いくら幼い時から始めても、習得の為の努力を怠れば
本来習得できるであろうレベルには到達できないと考え
学習者のトレーニングを見守り、
習得をサポートするのが講師だと思っています。

その上で、同じ努力量なら言語習得能力に優れた5歳までに始めた方が、
BISC(basic interpersonal communicative skills・日常会話能力)の習得は
速いと感じられ、多くの方にこの時期から始めて欲しい
また、私の教室の指導法であるナチュラルアプローチ、
インプット量を確保するための暗唱が受け入れにくくなる
7歳前に始めて欲しい、という理由から 
未就園や幼児枠を増やし、
就学後(1年生のみ)の入会枠を減らしていますので
そう言った意味では、私の教室の主力、主流も
未就学前に学習を始めた生徒たちです。

しかし、言語能力には、もう一つ
CALP(cognitive/academic language proficiency)という
学習のための言語能力があります。
帰国子女の中にもBISCで止まってしまってしまっているケースがあり
問題視されていますし、
就学後から始めた場合でも
母語の言語力が高く、能動的に努力を楽しむ生徒たちは
中学年になると、未就園から学習を始めていた生徒たちと
習得の仕方は異なっても習得全体から見えれば
遜色ないレベルに達することから
母語方式であっても年齢や習得に応じて指導方法や
アプローチは変わるべきだと私は考えています。
(実教室には、6つのレベル別カリキュラムがあり
 かなり厳しくレベル別クラス編成を行っていますので
 1年生から始めた生徒たちのクラスと未就園や幼児から学習を開始した
 同学年の持ち上がりクラスでは、アプローチや指導内容が異なっていますし
 暗唱課題がスムーズに行えない生徒たちのクラスは
 高学年になれば、パターンプラクティス主体のレッスンです)

実教室は上記のような教室ですので
私にとっての『このまま続けさせても…という生徒』は
『レッスンについて来られない生徒』=お客さんや
『英語習得に向いていない』と考える生徒ではなく
『私の教室で学ぶことを能動的に楽しめていない
 や自主的な努力をすることが難しい生徒』です。

複数年指導していく中で、
私の教室とは異なった指導法や環境で
学んだ方が伸びると感じる場合は
本人、親御さんにその旨を話し
退会を含めた最善策を話し合います。

たとえば、小学生の場合は、1年生で入会後1年間で、
本人へのアプローチはもちろん、
親御さんに、英語の学習習慣がつくまでのサポート(声かけと確認)を
担当講師が再三お願いしても、
習得に結びつける最低限のインプット量の確保を
家庭学習で行うことが難しい場合は、
2年目の更新の時に このまま続けていても
相応の成果は出ないことをお伝えし、
努力しないから『できない』が『英語できない』という
コンプレックスにすり替わる危険性から
親御さんに、家庭学習が指導に影響を及ぼさない
指導法を用いている他の教室に移った方がいいのでは
と提案します。

私は、その生徒にとって自分の教室が指導を含め
よい学習環境であるか?
という視点で、常に生徒を見つめ、判断することは
子どもの大切な時間を預かっている講師としての
責務だと思っているので
経営を支えるためだけのお客さんの生徒を作るのは
講師として責務を果たしていないことになります。

最後に、メイさんのおっしゃる子どもにとって良い判断が、
『他の指導法で指導している教室に変える』ことなのか
『英語を習うことを止める』ことなのか
そのどちらでもないのかわかりませんが、
教室を変えるかどうか
と想定して、お答えさせていただきますと

100%満足する完璧な教室ではなくても
最低限『託す』気持ちになれないお教室に通わせるのは
お金とお子さんの時間の無駄ではないかと思います。
ただ、習っているのはお子さんですから
お子さんが今の教室で習うことに問題を感じてない場合は、
どのように納得させるかが、大切になると思います。

お子さんが前向きに努力できる環境こそ
習得に結びつく『お子さんにとって良い教室』ではないでしょうか。

ご参考になる部分があれば幸いです。






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最終更新日  2010年12月23日 09時36分51秒



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