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カテゴリ:徒然なる毎日
久しぶりに爪の手入れをした。
丁寧に丁寧に甘皮を処理し、 オイルでマッサージし、表面を磨き、色をつけた。 葡萄のような深い赤。 濃い色のネイルは、ほんの少しはみ出ても酷く目立った。 丁寧に丁寧に余計な部分を取り去る。 ピアノをやっていたせいで手が大きく、 爪を噛む癖があるせいで常に深爪している私の手。 みっともなくて、いつも隠していた。 手が小さくて、爪も小さくて、すらりとした手を見ると、 羨ましさより先に、あきらめが浮かんでいた。 どんなときでも、少なくとも「女」であることを求められた2年前。 毎日ハンドマッサージをし、爪を磨いた。 そのうち、同じお店の子に「綺麗な手だね」と言われるようになった。 私よりずっと手が小さくて、爪も小さい子に。 ずっと憧れていた手を持つ子に。 すぅーっと何かが溶けていった。 「『手だけは常に綺麗にしていなさい』って、最初のママが言ってたの」 それはお客様のためだけじゃなくて、自分自身の自信のため。 結婚して以来、油断していた自分に気づいた。 私は女、私は女、私は女。 3回唱えて、キッチンに立った。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
October 2, 2005 10:01:12 PM
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