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テーマ:美容院(1025)
カテゴリ:本日のイベント
何か面白いことないかなーというときに、
こんな貼り紙を見つけたらどうしますか? 「カットモデル募集 \0 Tel:03-xxxx-xxxx」 中学生みたいな字で、キュッキュッて書かれていた。 え? ほんと~? ちなみに私は、次の瞬間 お店に飛び込んでいた。 「あのー、外の貼り紙をみたんですけどー、 カットモデルって、このくらいの長さでも大丈夫ですか?」 「お客様の要望にあわせますっ! そんなに長さを切らなくても全然 大丈夫ですっ!」 あ、そんなに気合入れて答えてくれなくても大丈夫ですよ。 担当する新人のアラヤさんは、 思いが叶わなかったあの人にちょっと似てた。 美容院といえば、美容師さんとのおしゃべりがいちばん楽しい。 でも、今回は新人さんだもの。そんなには期待しないでいこう。うん。 「今日はお仕事帰りですか?」 お、話を振ってきた。頑張ったね。 「そうですよ。一日 パソコンの前だと目が痛くなっちゃってー」 目をぎゅっと押さえて開く・・・あれ? どこ行った? あー、指導役の方に報告ですか、そうですか。 話を振ったらお客さんの答えを聞いてから、 動いてあげてくださいね~ ま、今度からでいいけどね。 天気の話、シャンプーの話、買い物の話、この辺のお店の話、 休みの日の過ごし方、仕事の話、好きな料理、遊びに行く場所・・・。 こっちからもいろんな話を振ってみたんだけど、反応は微妙。 この人のツボはどこだろう? 「フィジーの半分はインド人で出来てるんですよ」 ヤケになって、そんな話をした。 これがヒットだったらしい。 「フィジーってどこっすか? 北の方っすか? ヨーロッパぽいっすよね」 それ、フィンランドだし・・・。ニュージーランドの右上にあるのっ。 のんびりした南の島だよ。 今度、新婚旅行で行くの。いいでしょ♪ その後は、旅行話で盛り上がる。 私、香港に行ったよ。あ、俺もグアム、良かったっすよ。 他にどこに行ってみたい? ねぇねぇ、それで? それから? ・・・楽しい。 初めて会った人を饒舌にさせる快感。 こんな時間を楽しみにしてたの。あー、すごく満足。 「はい、できました」 だいぶ切ったね~。 5cmくらいって言ったつもりだったのだけど、 少なくとも10cmは短くなっちゃってます。 ま、いいんだけどね、楽しかったから。 そして、指導役の方が登場。 私の髪にちょっと触れて、まず一言。 「5cmくらいというお話でしたよね? だいぶ切っちゃってますけど、これで良かったんでしたっけ?」 すぅーっと、空気が張り詰める。 アラヤさんの顔がほんの少しかたくなった。 私は、鏡の中の彼の瞳をみつめて言った。 「雰囲気が変わって軽くなったので満足ですよ」 新人の彼にアドバイスが飛ぶ。 「軽さを出そうとして、毛先を漉きすぎている。 しかも毛先がバラバラだから、これじゃハネちゃうよ。 段を入れるなら高さをそろえないと、まとまらない」 指導役の人が毛先を整え始める。丁寧に丁寧に。 「じゃ、コレ見て こっち側も自分でやってみて」 黙々と仕事をはじめる彼。 大丈夫だよ。 技術はどうあれ、あなたは私に快感をくれた。 まちがいなく私を満足させてたんだよ。 モノより思い出。 ガンバレ、新人。 今度ここに来るときも、 アラヤさんに担当してもらおう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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