「迷説般若心経・178」
第十四章(6) 遠離一切顛倒夢想 究竟涅槃ゲンちゃん(玄奘)は高僧だ。だからイタズラ坊主だ。ここでもヒネクレた(優しい)ワナを仕掛けた。この文節のとらえかたで涅槃が変わる。それぞれが、どんな涅槃を想像し創造するか?クスクス笑いながら心経を書いたのだろうなぁ。ワナは、ほとんどが落ちるように仕掛ける。そして・・・見事に、ほとんどが落ちた・・・。でも、これを見破るには知識はいらない。堅苦しい理屈もいらない。素直にみれば、判るように書いてある。「夢想の反対(転倒)などとは遠く離れた境地だぜ」(つまり、夢想が沢山ある境地だぜ)だが心経は大般若経という難しいお経のエッセンスだ。だから、きっと難しい真理が濃く詰まっているに違いない。そうだ、そうに違いない・・・そう思った解説者達は、自分や他人の知識をフル稼動して訳す。そして、見事にワナにはまる・・・。この世の仕組みは、知識じゃ無ぇ、理屈じゃ無ぇといっているのに・・・。例えれば、長屋の八っつあんや熊さんに説いているんだぜ。