「風間陽水の依頼簿(カルテ)・1174」
カルテ番号 り・1(42)力石静に息子から電話が入ったのは翌日だった。息子の言葉は意外だった。母親から離れ、一人で独立して生きていくのだと思っていた。それが、北海道に来ないか、という誘いだった。理由を聞いて、更に意外だった。息子も祖母の血を引いていたのだった。しかも、静よりも能力は強かったようだ。北海道の大学に進んだのは、首都圏が危ないと感じたからだそうだ。母の静に言っても、その感覚は理解されないと思ったという。事実、息子が北海道を受験する頃、静は何も感じていなかった。早く安全な場所で暮らしの基盤を作る。母親を守るのは、自分だ、と思っていたらしい。そして、その能力も使い、学生ながら一人前以上の収入を稼いでいた。やっと、手頃な貸家が見つかったのだという。静には思いもかけない嬉しい提案だった。だが、息子に今の状況を正直に話した。自分も首都圏の危なさに気づいて、群馬に住む決意をした事。災害からの復興に関連する仕事も見つかった事。信頼できる人達と巡り合った事。だから、当分は一人でやっていきたい旨を話した。むろん、息子はその決意を納得し、応援すると言ってくれた。(登場する人物・組織・その他はフィックションです)HP「気の空間・氣功療法院」検索ブログだけなら楽天「水上陽平の独善世界」検索 が読みやすい(過去のプログは本館 「氣の空間・氣功療法院」です。治療・若返り・講演、お話会依頼、悩み相談受付中。日本中出張します。ブログで書いた「迷説般若心経」 「迷説恋愛論」 「迷説幸福論」誰か出版してくれぇ~)