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南風一の世界

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2024/09/02
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  本当の想い~何を求めて     南風一

仕事が引けたところで
急ぎ廊下に出たところで
向こうからやってくる彼女とすれ違った

「お疲れさまでした」
そう言っていつものように柔らかな笑顔をして
過ぎて行った

「本当はどう対応すればよかったのだろうか?」
エレベータに乗って
そんなことをぼんやり考えた

彼女と出会って4年半になる
彼女は課長から部長に昇進して
それでも物腰は4年半のままで相変わらず腰が低い
(しかも誰に対してもそうだと思うが)
物言いも姿勢も柔らかで優しい

年齢はもう50歳に迫ろうということだろうから
本当はもっと色気も落ちていいはずだが
なかなか20歳過ぎの処女のような恥じらいがある

そんな彼女ともあと半年もすれば
(私が退職日を迎えるので)
おさらばすることになる
その日までは今日のように偶然に顔を合わせる機会は
まだ何度かあるのだろうけれど

今日みたいに
また考えるのだろうか?
「挨拶や笑顔以外に 何をどう表現すればいいのかな?」
きみへの思いはなかなか示せないし
本当のことを伝えるのは難しい

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Last updated  2024/09/02 09:21:33 PM
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