南風一の世界

　　　好きなことは素敵なこと　　　南風一

「好きなこと」というのは
人それぞれに「好きなこと」がある

ある人にはタバコを吸うことかもしれない
ある人には三度の飯より実験かも知れない
ある人にはパチンコやギャンブルかも知れない

またある人には陶磁器職人のように独りで気に入るまで
粘土を捏ねて窯で何日もかけて焼き上げて
出来上がった陶磁器の出来具合を眺めて
何日も何日も眺めて出来上がりを鑑賞するのが一番楽しみという御仁もいるかも知れない

そういう意味では
自分の楽しいことで人生を生きていくのが一番楽しいということは
自明の理である
ならば誰も皆自分の好きなことを職業にすればいいということになるが
事はそう簡単ではない

誰でも「好きなこと」をやっていれば飯が食えるという世の中でないことは
みんな知っている
だから誰でも自分の「好きなこと」に少しでも近づけるように
勉強をしたり手に職を付けたり技能・技術を磨いたり
努力したり、いろいろ足掻いたりする

努力や練習の結果「好きなこと」に到達すれば
それはそれで幸運なこと
たとえ「好きなこと」に到達できなかったとしても
それまでの努力や練習は納得という形で報われるだろう

人は何歳になっても
「好きなこと」が在りさえすればそれに取り組むことができる
「好きなこと」に取り組むことが自分の人生を生きるということだ

もし生活のための仕事という義務から解放されるなら
あとは「好きなこと」に取り組んで生きよう
自分の本当の「生きる姿」を取り戻そう
「好きなこと」に取り組むことは素敵なこと

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