【マウリッツハイス美術館展】 真珠の耳飾りの少女
TVやなんやかんやでもうお腹いっぱい感でしたが、近くに用事があり、寄ってみました。さて、「真珠の耳飾りの少女」。薄暗い照明。まず、遠くからでも襟の白がくっきり。レフのように少女の顔を浮かび上がらせる。そして、右目の白。左目の白。耳飾りの白。背景は塗り込んであるので、白に目が引き付けられる。ターバンの青みは思ったよりも抑えられてて、服の色や背景とも馴染む。描かれた当初は、もっと鮮やかだったのかもだけど。何かを話し終え、背を向けようとしているのか。何かを話すために、振り返ったのか。唇に浮かぶ微かな動きは、喜怒哀楽のどれなのか。この絵の謎に取り込まれてしまったので、他の絵はあまり印象に残らないまま美術館を後に。思えば、あれは能面だ。静的なのにドラマチック。少女の手も見えないし、髪すらターバンで覆われている。他の作品にあるような説明的なものは何も描かれていない。フェルメールは何故、誰のために、あの絵を描いたのだろう。もしかしたら、ただ自分のためだけに。描いてみたいから、描いた作品なのかもしれない。平日の夕方は空いてて、じっくり観れました。勢いで行ってよかったな。