【鉄道員】
1958年 イタリア監督・脚本・主演 ピエトロ・ジェルミキャスト ルイザ・デラ・ノーチェ(サラ) エドワルド・ネヴォラ(サンドロ) シルヴァ・コシナ(ジュリア)音楽: カルロ・ルスティケリ私が思う「イタリア映画」は、まさにこれ。哀愁漂う音楽。モノクロ。ストーリーもまさに。呑んだくれのパパと、デキ婚の娘(すごくきれい)、働かない息子。肝の据わったおっかさんと、年の離れた末っ子。この二人が、マリア様と天使のよう。「カーネーション」の小林薫のように、カッとなったら手が付けられないパパ。なんとか治めようと取り繕うママ。パパは、今でいうリストラに遭い、身体も壊してしまう。「ねえ、ママ、二人のどちらが悪いの?」「どちらも自分が正しいと思っているの」「じゃあ、仲直りできないじゃない」「そうだけど、会話をしないのが一番悪い。思いが毒のように溜まっていくから」いろいろあったけど、ママの思いが通じたのかクリスマスには全てが解決するように見える。友達、ワイン、音楽、ダンス。希望と祝福に包まれて、パパは幸せな眠りにつく。だから、どうした、っていう展開だけど。特別ではない家族の濃い絆と人間臭さ。日本人が共感するところも多い一本だと思います。