【グラン・トリノ】
2008年 アメリカ監督・制作・主演 クリント・イーストウッド ネタバレ。 町山智浩さんの解説と、それを引用してくださったAuggieさんのブログ。これが全てです。クリント・イーストウッドの自伝的映画とも言えるかも。 遠くの家族より、近くの他人。コミュニティを作るのは大げさに考えなくていい。たとえ言葉が通じなくても、文化が違って失礼なことをしてもすこしづつわかりあって、助け合っていけばいい。最初から上手くいかないのは当たり前。人種差別的な言葉狩りをして距離を置いているだけじゃあダメ。ネタとして冗談を交わせる仲になることだってあるんだから。多分、アメリカの古き良き精神。クリント・イーストウッドのウォルト。善人からは程遠い偏屈なジイさん。彼流の「男の美学」。それはとても古臭くて、つるつるした都会の企業家やホワイトカラーにはそぐわないし、ニコニコした「良いパパ、優しいグランパ」にはなることととは違う。男たるもの、自分の手で生活の基盤を作り、それを守る。多分、アメリカの古き良き男のアイデンティティ。重い映画だけど、本当の魂の救済について、考えさせられる一本。これを観ると「硫黄島からの手紙」「父親たちの星条旗」も興味が・・・。考えてみたら、朝鮮戦争の映画ってあんまり見てない。ベトナム戦争のは結構あるのに。この映画に出てくるモン族は、帰る国がない。アメリカは、今でもそういう人達の受け皿になっている。何だかんだ言ってもすごい。