原三溪の美術
横浜美術館。
「孔雀明王」は終わってました。
三溪は、コレクター、パトロン、アーティスト、茶人と多面的な活動をしていたという展示。
内容たっぷり。
以下、メモとして。
・南画師を祖父にもち、16才のころの作品があり、なかなかの腕前。
・後に働き盛りの長男が突然に他界。追善茶会に用いられた、実朝の「日課観音」と君不知のお茶碗。色合いも絶妙です。
・下村観山の「弱法師」
ギリシア神話やシェイクスピア、春琴抄。登場人物の目が見えなくなるの物語はいろいろ。「弱法師」の素材を観山がどう料理したのか。想像が膨らむところ。屏風絵の立体構造を活かして、左隻の日が右に立ってみると見えない。歩くにつれて見えてくるのがドラマチック。
そして、画面がとても明るく、光に満ちている。弱法師の幸福感をイリュージョンと捉えるよりは、いずれ父に救われる良き前兆を作り上げているように感じられる。
・源頼朝坐像(重文)
衣装のデフォルメと全体のバランス。モダンアートの様に美しい。
・弥陀立像(東慶寺)
静謐なお顔と御姿。三溪さんは雪舟の作品を最後までてお近くに置いていたようですが、私ならこちら。いつもお側にいて頂きたい。
・三溪による蓮などの絵は、どれも嫌味がなく、心が洗われる。
悲しみがあっても、心穏やかに豊かな暮らしを紡いたのではないでしょうか…
三溪園にもまた行きたいです。