マシュー・ボーンのロミオとジュリエット
ものすごく久しぶりの舞台。ネタバレと私的解釈。換骨奪胎モノ。社会不適合の烙印を押された若者達は、ヴェローナインスティチュートに収容される。ロミジュリの二人も。看守のティボルトは、孤独で粗暴。ここで育ったので、コミュニケーションが取れないらしい。ジュリエットを暴力的に支配し、彼女のトラウマとなる。主人公の二人は恋に落ちるが、ジュリエットはティボルトとのトラウマから誤ってロミオを刺し殺してしまい、自らも死を選ぶ。マシュー・ボーンらしい多様性包摂のストーリーと、洗練された振付と舞台。二人がキスをしながら、アクロバティックにバルコニーを縦横無人に踊りまくる。若い恋は素敵!暴力と分断が進む現代は、シェイクスピアの時代より問題が複雑化している。「愛が勝つわけではない。他者に寛容であって欲しい」というようなプログラムの言葉が刺さる。