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カテゴリ:雑感
前回の八百長の話の続きを書こうとしたのですが、まずはこんな話から。
たまに人から「弁護士同士で談合することってあるんでしょ?」と聞かれます。 たとえば、原告が被告に対して、1000万円払えと請求する裁判をしているとする。 原告側弁護士と被告側弁護士が話し合い、間を取って、500万円払うことで話を付ける。 原告側弁護士は、「500万取れたから報酬1割よこせ」と言い、被告側弁護士は「500万ねぎったから1割よこせ」と言う。双方の弁護士とも、50万ずつ儲かるというわけです。 私でも、五分五分のきわどい勝負で、判決が出ればどちらに転ぶかわからないときであれば、半分くらいの和解を依頼者に勧めることもあるでしょう。 そして、相手側の弁護士がよく知っている人であれば、「率直なところ、話し合いでカタをつけませんか」と持ちかけることもなくはないと思う。 これを談合というなら、そういうこともできるでしょう。 ただそれは、事案の性質と、今後の裁判にかかる労力を考えて、そうするのが依頼者のためになると思うからするのであって、依頼者の意向を無視してこのような話を進めることはありません。 八百長の話に戻ると、以前、プロの将棋指しの世界について、こんな話を本で読みました。 プロ棋士というのは、段位や収入が1年間の公式戦の勝敗によって左右される厳しい世界です。 そこでたとえばAという棋士が、その年の所定の勝ち星を稼ぐことができたとする。 次の対戦相手のBという棋士は、負けがこんでいて、次の対戦で負けると段位が下がってしまう。 そういう場合、今年はもう勝たなくてもよいAとしては、ついBに対し手加減してしまうこともありうるだろう、それを八百長というかどうかはともかく、そういう話でした。 昔、棋士の米長邦雄さんが、「私はどんな勝負でも手加減しない。特に、相手にとって進退がかかっているような試合は全力で臨んで必ず勝つ」と(正確には忘れましたが)公言しているのを読んだことがあります。 そこだけ聞けば「イヤなヤツ」なのですが、考えてみると、プロの棋士でもそこまで強い心を持っておかないと、つい相手に手心を加えてしまうことがあるということなのでしょう。 だから、相撲の世界で仮に八百長があるとしても、ドラマや漫画みたいなあからさまなものではなく、こういう微妙な話なのではないかと思っています。 昨日書いた若ノ鵬は「お金をもらった」と言っているみたいですが、まあ、力士にはいわゆるタニマチがいて、いろんなところからいろんな金品をもらっているでしょうから。 とは言いつつも、週刊現代の裁判で、八百長が「真実」と証明されるのかどうか、この点は注目しております。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008/10/01 03:47:02 PM
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