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カテゴリ:雑感
今日の朝刊から。
難解な医療用語を見直すべく、わかりやすい言い換えを国立国語研究所が提案したとか。 予後とか生検とか浸潤とかが例として挙げられていました(それぞれの意味は省略。たぶん朝刊各紙に出ています) たしかにこれらの用語は、私自身、弁護士になって医療関係の事件に関わるようになってから文献を通じて知ったのであって、そうでなければ知らなかったでしょう。 こういった言い換えは、もちろん私たち法律家の世界でも求められています。 特に、裁判員制度の施行を控えて、刑事事件についての法廷用語の言い換えが進められている。 たとえば、強盗という犯罪は「暴行または脅迫によって反抗を抑圧することによって財物を奪う犯罪」と定義される。 強盗犯人が被害者の「反抗を抑圧する」のですが、「反抗」の語が、被害者が何か悪いことをしているイメージになって誤解を招くということで、この表現は裁判員には使わないことにされているとか。 (どう言い換えるかという肝心な部分は、流し読みした程度なので忘れました) 専門用語にはそれぞれに正確な定義があって、かつ手短に表現できるので、専門家同士の会話には便利なのですが、それを一般の人に使うべきではない。 私も依頼者と話すときは、やや正確性に欠けたとしても、用語の意味の重要な部分、つまりポイントを大づかみにできるように言い換えることを心がけています。 逆に言えば、一般の人にわかる言い換えができない専門家は、その用語のポイントを本当に理解していないといえます。 今日は何だか話が飛び飛びになってしまっていますが、不思議なほどにそういう「言い換え」をしない業界があります。 私の偏見かも知れませんが、IT業界の人がそうです。話していると、専門用語やアルファベットの略語がやたら出てくる。 かつて、私の「イソ弁」時代に(「イソ弁」も業界用語ですね。独立せず事務所に勤めて給料をもらっている弁護士です)、その事務所のボス(当時70代)と二人で、IT業界の方の相談を聞いていました。 その方がやたらと「当社の『デジタルコンテンツ』が…」と口にするのです。その話を一渡り聞き終わったボスがおもむろに、 「で、その『デジタル本店』というのは何ですかな」と聞きました。 専門用語の言い換えは大切です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008/10/22 09:48:52 AM
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