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カテゴリ:判例、事件
昨日の続き。
船場吉兆の元社長と女将(湯木正徳、佐知子氏。以下「湯木氏」と書きます)に破産決定が出たが、船場吉兆の会社の破産管財人は、その湯木氏に対して損害賠償請求すると言った。 これも破産管財人の仕事のうちです。 前回書いたとおり、会社の破産管財人は、会社の資産をお金に換えて債権者に返済することになる。 たとえば心斎橋のOPAの吉兆でタダで飲み食いしてツケをためている客がいたとすれば、代金を回収することになる。それを返済に回すわけです。 湯木氏が放漫な経営で会社を潰したとなれば損害賠償金を回収して、それも返済に回す。 ですから今後、湯木氏の個人資産を回収しお金に換えて、会社に返済することになるのでしょう。 ただ、湯木氏は借金がかさんだから破産したのであって、そんな人を訴えたとしても、お金は返ってこないか、返ってきても微々たるものでしょう。 その点は、船場吉兆の破産管財人もわかっているはずなのですが、それでも、可能性がわずかでもあるのなら、やれることはやっておかないと破産管財人の責任問題になるということでやっているものと思われます。 それにしても、自分がいた会社から訴えられるというのは、気の毒な部分もあるのですが、会社の取締役というのはそれだけ責任が重いということです。 たとえば、ライブドアの元社長の堀江は、社長在任時代に証券取引法違反などで会社の株価をおとしめたということで、現在のライブドアから訴えられるか、またはすでに訴えられたとか。 湯木氏とか堀江は(堀江はなぜか「氏」をつける気がしない)まあ、ある程度は自業自得なのかも知れません。 しかし、会社経営に縁のない人であっても、たとえば知人から「会社をつくるから取締役として名前だけ貸してくれ」と言われて会社の登記簿に名前を連ねただけで、何かあると会社や、株主ほか第三者から訴えられることもあります。 だから形だけであっても取締役になるのは重々慎重にすべきです。 湯木氏の転落を見て、改めてそんなことを感じました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008/10/31 09:51:34 AM
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