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カテゴリ:判例、事件
厚生労働省の元事務次官を狙ったと思われる死傷事件が起こりました。
犯人と、その動機についてはまだ未解明の部分もありますが、おぞましく、そして憎むべき事件です。 厚生行政に恨みがある人の犯行であるのかどうかは知りません。 厚生労働省と旧厚生省の政策については、最近の年金問題や薬害問題その他、諸々の批判があるのも事実でしょう。 しかし、そのことと、人を殺すことは全く別問題です。 今日(19日)、夜のニュースで「街の人の声」というのがいくつか流れていましたが、 「ここまでの事態にしてしまった政治の責任は重いと思う」 という趣旨の発言をする人が複数いて、私個人としてはとても嫌な気持ちになりました。 厚生労働省のお役人のやることだから「政治」部門の問題でなくて「行政」部門の話だろうとか、そういう些細なことはどうでもよい。 卑劣な犯罪が起こったときに、それを安易に社会や政治のせいにしてしまう考え方が恐ろしいです。 かつて当ブログでも取り上げたかと思いますが、私が筑波大学在学中に、イスラム学の学者で「悪魔の詩」(マホメットを冒涜しているとされた書物)を翻訳した五十嵐一助教授が学内で殺害されました。 そのニュースに接したいわゆる「文化人」がテレビで 「イスラムに対する理解が足りなかったのではないか」 と言ってしたり顔をしているのと同じような嫌な感じを受けます。 法治国家であるこの日本においては、どんな理由であれ、暴力で言論を封ずるとか、気に入らぬ政治・行政に暴力で報いるとか、そういうことがあってはならないのです。 まだまだわからないことが多いこの事件ですが、そのことを改めて強く感じました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008/11/19 11:18:52 PM
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